キヤノンのプリンタをハックして「Doom」を遊べるようにすることに成功
最近のプリンターは多機能化が進み、一昔前のPC並みの性能を持たされています。これを利用して90年代のゲーム「Doom」を動かすことに海外の研究者が成功しました。
キヤノンのPixmaにはPCのブラウザからプリンタの諸データを確認することができるインターフェイスが搭載されています。このインターフェイスはLANからのアクセスを前提としているもので、ユーザー認証がかけられていませんでした。つまりIPアドレスさえ分かればWebからアクセスをかけることも比較的簡単にできます。
そういうわけでネットからこのプリンタにアクセス、アップデートを行わせ、偽のファームウェアを組み込ませる手口で「Doom」をインストールすることに成功しました。
Webから誰でもアクセスできるようになっていたのも落ち度ですが、ファームウェアの暗号化も十分なものではありませんでした。暗号アルゴリズムは非常に単純なものが用いられており、また暗号化されていなかった時代の古いファームウェアと同じ構造であったため簡単に偽のファームウェアを作ることができたということです。
プリンタの設定ディスプレイで「Doom」が動いてしまっている動画はこちらから。
printer doom – YouTube
ゲームができるということは他にも悪いことがたくさんできます。機密の書類を印刷しているプリンターがハックされたら……と考えると恐ろしいことですね。キヤノンはすでにこの問題を認識しており、対策を行っているということです。
「『Doom』が動かせるか否か」というのはハッカーとしての腕前と、機器の性能の2つを同時にテストできる方法ということで、昔から色々とテストされています。
E-inkディスプレイを備えたロシアの端末でDoomを動かしているところ。
Play Doom on an E-ink screen – YouTube
中にはHTML5とJavaScriptで動くWebGL Doomというものも作られています。
ソース:Hacking Canon Pixma Printers – Doomed Encryption
関連記事
往年のFPS「DOOM」に「バイオハザード」のキャラクタを登場させてTPSにできるMod「DooM the mercenaries 4.0」 - DNA
名作FPSゲーム「DOOM2」を「美少女戦士セーラームーン」風に改造できるカオスなMODの動画 - DNA
初代Windows1.0から最新のWindows7まで、順番にアップデートすると何が起こる? - DNA
PCゲームの歴史を約2分半でまとめた動画「The evolution of PC games」 - DNA
ネコを使って近所の弱そうなWi-Fiルーターを調べさせるハック手法「WarKitteh」 - DNA
テレビの緊急放送がハックされ「ゾンビ警報」を発令 - DNA
全国チェーンのゲーム販売ショップを銀行のATMに変身させるライフハック - DNA