科学と技術

講義ノートはPCを使うより「紙とペン」でとるほうがよく覚えられることが判明


紙のノートはかさばり、保存性もあまりよくなく、整理整頓も簡単ではありません。最近はノートPCやタブレットも安くなったし、講義でもパワーポイントのスライドを印刷して配布してくれるから紙のノートはそろそろいらないんじゃないの……と思ってしまいますが、実はPCのキーボードよりも「紙とペン」を使ったほうがよく理解できることがプリンストン大学の研究者によって明らかになりました。

なぜ、PCのキーボードよりも「紙とペン」のほうが講義をよく理解できるようになるのか。鍵は「スピード」にあります。

ちょっと慣れた人になると、PCのキーボードを使ったほうがペンよりもはるかに早く大量の文字を書くことができます。中には講義を一字一句完璧に記録できるスピードをもつ人もいるでしょう。

しかし、そういう人はノートをとることに集中していて、講師の語る内容そのものに意識が向きません。要するに音に合わせて単純な指の運動をしているだけで、話を理解しているわけではないのです。

逆に紙とペンの場合は、一字一句正確に記録するようなスピードを出すことはできません。このためある程度省略し、エッセンスだけを筆記しなければならないのですが、この段階で1度脳が情報を処理するので、話が理解しやすくなるそうです。

スピーチの内容をキーボードとペンでそれぞれメモし、その後質問に答えるというテストでは、いずれの場合も話した内容の事実関係については同じくらいの理解でしたが「要するにどういうことか」というコンセプトを問う質問においては、ペンの使用者のほうがよい成績を収めたということです。

ちなみにキーボード使用者に「自分の言葉でノートをとるように」と言っても、一言一句メモしようとしてしまうのであまり意味がないとか。また、ネット接続できるものの場合は、授業中にゲームしたりSNSに投稿したりしてしまうので、さらに理解が薄まってしまうそうです。

いろいろなことをすぐに調べられるインターネットは学生の勉強にはもはや必要不可欠なものになりました。しかし人から物を教わるときには、まだまだ昔のやりかたのほうがトータルでの効率がよくなるようです。「簡単に手に入れたものは簡単に失われてしまう」というのはいつだって真実なのですね。

ソース:The Pen Is Mightier Than the Keyboard

The effects of handwriting experience on functional brain development in pre-literate children

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