バイオテロで崩壊したニューヨークの街を取り戻すトム・クランシー原案のアクションRPG「The Division」の舞台設定やゲームプレイ動画いろいろ
最近リリースした「Watch Dog」やご存知「レインボー・シックス」「スプリンター・セル」「ゴーストリコン」シリーズなど、大作揃いで知られるUBISOFT。同社のおそらく最大規模の作品「The Division」が気になったので、少しまとめてみました。
「The Division」は、2001年6月に行われたアメリカ政府の対化学テロ危機管理演習「ダーク・ウィンター」と、大規模テロ・大災害など国家存亡の危機における政府の大幅な権限強化を取り決めた「大統領命令51号」を元にトム・クランシーが原案を出したアクションRPG。
アメリカ社会は超複雑な経済システムの上に成り立っている。効率はよいが脆弱性も高くなった。
例えば石油や食料品など、流通インフラが高度に発達しているためいつでもどこかから買ってきて輸送することができる。しかし交通網がマヒしたり外交の失敗で輸入できなくなるなど、ひとつのトラブルですべてが崩壊する危険も高まったのである。
アメリカでは毎年11月末、あらゆる小売店で「ブラック・フライデー」と呼ばれる在庫一掃セールが行われ、ドル紙幣の流通が大幅に増加する。
ありとあらゆる人々の間をドル紙幣が移動していく「ブラック・フライデー」。もしこのドル紙幣に未知の病原菌を付着させていたらどうなるだろうか?パンデミックにより政府機能が連鎖的に崩壊し無法状態となったニューヨーク……それが「The Division」の舞台とある。
こうした国家存亡の危機に対する「大統領命令51号」が2007年に署名された。詳細な内容は今も非公開のままであるが司法・立法・行政の三権を一時的に大統領に委ね、素早い対応が出来るように政府機関を改組するという内容である。
トム・クランシーはここにフィクションを持ち込んできた。平時には姿を見せない偽装政府機関をまず設置。
国民の間に一般人を装ったエージェントを浸透させ……
各種組織にスパイを送り込む。大統領命令51号による指令が発令されるとともに、アメリカ中のエージェントが独自に行動を開始し、国の治安を守るために戦うのだ……。
というのが「The Division」の舞台背景となります。現実とフィクションを巧妙に混ぜてくるあたりがテクノ・スリラーの名手、トム・クランシー節全開という感じです。
動画はこちらから。
Tom Clancy’s The Division – E3 Breakdown trailer [UK] – YouTube
「The Division」は今のところPCと次世代機向けの販売が2015年が予定されています。グラフィックは新開発の「SnowDrop」エンジンによってこんな感じのシネマティックなものになるよう。時間や天候によって同じ街が見た目を大きく変えるという、最近流行している要素も取り込んでいます。
そしてトム・クランシー作品には必ず登場する最新テクノロジーによるガジェット。これは床面に地図を表示させているところ。
地下鉄の防犯3Dスキャナーがキャプチャしていた3Dイメージにアクセスしているところ。ニューヨークから脱出する最後の列車に乗り込もうとする人々のパニックが記録されていました。
改札口に安置された遺体。こうした場所は「汚染レベル」が設定され、行動に何らかの影響をあたえるようです。
ゲームの目的は色々あるようですが、こちらは他のプレイヤーと協力して小目標を達成する「Co-Op」モード。どうもキャラクターごとに物資を備蓄した「ベース」が存在していて、それらを確保するのが目的らしい。
ベースの周りにいる暴徒・野盗を排除すればいいようです。銃は最近のSFではひっぱりだこのKRISS Vectorにオスプレイサプレッサーを装着したものなど、最新のものがいろいろ登場するようです。
PCやコンソールだけではなく、タブレットなどからもマルチプレイに参加できます。こちらはタブレットのプレーヤーが操る小型ドローンが目潰しのフラッシュを浴びせかけているところ。
こうして街中の拠点を確保し治安を取り戻しながら、誰がどうやってテロを仕掛けたのかなど大きな陰謀に迫っていくというストーリーになります。街の「陣取り」の様子はGoogleのARゲーム「Ingress」っぽく、リアルタイムで進行するようです。
動画はこちらから。
Tom Clancy’s The Division Official E3 2014 Gameplay Demo [US] – YouTube
2013年に公開されたゲームプレイ動画はこちら。
Companion Gaming Trailer – Gamescom 2013 I Tom Clancy’s The Division [US] – YouTube
技術的な開発が難しそうなことはもちろんですが「この内容をゲームに落としこむことができるのか」というのがそもそも疑問になるくらい壮大なコンセプトです。2013年にE3で発表されたものの、だいぶ長い間延期となってしまいます。
遅延の大きな原因とされる「SnowDrop」エンジンの実力が分かるシネマチック・トレーラー。時刻・天候で大きく見た目を変えるニューヨークの街を描写しきるのは確かに大変そう。
Tom Clancy’s The Division E3 2014 Official Cinematic Trailer [US] – YouTube
ものすごくたくさんのプレイヤーがひとつのストーリーを展開できるのは「ゲーム」しかありません。「最近のゲームはカットシーンばかりで映画のようだ」という批判があるなか、かなりチャレンジングな作品といえるのではないでしょうか。
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