撮影後にピント位置を変更できるまったく新しいカメラ「Lytro Illum」がデビュー
従来のカメラでは不可能だった「撮影後のピント位置変更」を実現してしまう「ライトフィールドカメラ」の新機種「Lytro Illum」がいよいよデビューとなります。
従来のカメラでは、被写体からの光をフィルムやセンサーに受け、色や強さを記録していました。この時、光の飛んできた角度、つまり被写体の距離の情報は記録されないので撮影後にピントを当てなおすことはできません。
「ライトフィールドカメラ」は光の飛んできた角度も同時に記録しており、撮影後にコンピューター上で計算しなおすことで「リフォーカス」が可能となるカメラです。
画像を再生するために専用の表示デバイスやコンピューターが必要となってしまうのが欠点。また角度を記録する分、同じセンサーを使っても解像度が小さくなってしまう問題もありました。
「Lytro Illum」は400万画素相当の解像度で撮影ができるデジタルカメラ。Webでの公開には必要十分なサイズとなりました。またブラウザで見られるビューアーも公開されており、ブログやSNSに埋め込んで写真を見せることも可能です。
1. LYTRO社の新製品「LYTRO ILLUM」を正面から。初代は食品ラップの箱のような長細い直方体でしたが、ILLUMはいかにも普通のカメラ、といった形状になります。
2. グリップは前傾になっており、デフォルトでは胸の前あたりに構えて撮影させる意図があるようです。4インチタッチパネルディスプレイ(800×600ピクセル)はこのようにチルトするので、撮影アングルは色々試せます。
3. ボタン類は極力少なくされ、ほとんどの操作はタッチパネルで行われます。
4. 30-200mmという広いレンジをカバーしつつf2.0という明るさを実現したレンズ。非ライトフィールド機では、光の入射角を揃えるために多くのレンズが必要になりますが、ILLUMでは光の入射角をまとめて記録するので物理補正が必要なくなり、レンズを少なくすることができます。
「リフォーカス」つまりフォーカス位置の移動と言われてもピンと来ない人はこちらを試してみてください。クリックするとピントの位置が変化します
「写真を撮る」というのは、被写体の雰囲気をカメラマンが感じながら、ボケの量やフォーカス位置、構図、明るさなどを決め、一発勝負でシャッターを切るというのがこれまでのやり方でした。
しかしライトフィールドカメラでは「とりあえずその場で見えているものをそのまま持ち帰り、後でいろいろやり直す」という、まったく違う撮影のやり方となります。
アーティストの感じ方、心の持ち方が変われば当然に作品の内容も変わってきます。ライトフィールドカメラがどのような作品を生み出すのかとても楽しみです。
現在、オフィシャルサイトにてプレオーダーを受け付けています。第1世代では日本は出荷対象国ではないので、入手にはちょっと手間が必要になると思われます。
ソース:Lytro – Home
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