ヒゲを濡らさないのは紳士のたしなみ、19世紀末に流行した「口ひげガードつき紅茶カップ」
真のイギリス紳士を決めるオリンピックには「ヒゲを濡らさないよう紅茶を飲む」競技はまだありませんが、当時の紳士のために「口ひげガード」のついた紅茶カップが大流行していたそうです。
口ひげの人用紅茶カップはイギリスの陶器職人、ハリー・アダムスが1860年代に発明したもの。
18年代後半のヴィクトリア時代には口ひげが大流行したそうです。色々な形に口ひげを整えるひとがいたそうですが、中にはワックスで整えひねり上げるものがありました。
しかしこのタイプの口ひげは、イギリス伝統の紅茶の時間にはとても相性がわるいもの。湯気でワックスがふやけてしまう上に、お茶に口ひげがつかってしまうという問題があったのです。
そして紅茶をやめるか口ひげをやめるか、を考慮した結果マグカップのほうを改造したというわけですね。
そのまんま「Moustache Cup」と呼ばれている紅茶カップは、このようにヒゲ置きのついたティーカップ。アメリカにも輸出されましたが、当時は「茶器はイギリス製」ということで陶製のものについてはイギリス製のものがウケたようです。
こちらはアメリカ製の銀メッキのカップ。
口ひげの流行が去ると共にこの類のカップも消えていったそうです。ファッションが食文化にも影響を与えているというのは面白いものですね。
ソース:Moustache cup – Wikipedia, the free encyclopedia
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