絹から電子機器へ、シルクロードをゆく貨物列車の旅の画像
その昔は絹や香辛料、芸術品などがラクダに乗せられ行き来した砂漠の道・シルクロード。近年、大量のコンピューターや携帯電話など、非常にモダンな「お宝」を貨物列車でやり取りするルートとして再び注目を浴びています。
近年、中国沿岸部の人件費向上により、工場を設立していたIT系メーカーはより内陸部へ進出を図っています。これに伴い、内陸部からヨーロッパへの輸送路としてシルクロードは再び脚光を浴びつつあるのです。
一度沿岸部に出しそこからスエズ経由でヨーロッパに船便で出荷すると5週間ほどかかりますが、ポーランド経由の鉄道なら3週間ほど。最新機器をいちはやく出荷しなければならないIT系メーカーにとって、これだけのリードタイムの短縮は大きなメリットがあるのです。
内陸部の工場から約3200㎞のところにある中国とカザフスタン国境の駅。ここまで約5日間の旅になります。
打ち捨てられた古い戦車。
線路の幅が中国とカザフスタンでは違うので、税関での検査後、コンテナが積み替えられます。
通関検査中。政府との取り決めによりコンテナは開けられず、重量による検査が行われます。一度テスト輸送において、ラップトップ200台を積んだコンテナを税関で開封するようにしたところ、かなりの量の荷物が紛失したそうです。
出荷最優先のため、旅客列車や中国に向かう列車は貨物列車の通行を待たなければなりません。
現在のところ、陸路でのコンテナの取扱量は年間2500程度。これが2020年には750万になるという見込みです。
雄大な草原をゆく列車。
ディーゼル機関車はジェネラル・エレクトロニクス社製。カザフスタンに工場をもっており、現地で生産することで経済効果を高めています。
おおよそ3時間ごとに停車場があり、そこで運転手が交代します。停車場3つか4つごとに機関車も交換、荷物の状態もその時にチェックされます。
荷物が盗難にあわないよう厳しい警備が行われます。
そして夜を徹して列車は走ります。
ソース:Riding the New Silk Road – Interactive Feature – NYTimes.com
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