こんなに違う、いろいろな9㎜口径ハンドガンの銃口の跳ね上がりをハイスピード撮影で比較した動画
木と鉄で出来た銃しか信用してこなかったあのロシア軍がポリマー樹脂製フレームの拳銃、しかもほとんど実績のないメーカー製のものを制式採用してしまった、ということでちょっとしたニュースになったArsenal Firearms社のStrike One。「グロックのパクり」とディスられつつも結構意欲的な作りが面白いのですが、製造元のArsenal Firearms社が各社の代表的な機種の跳ね上がりをハイスピード撮影で比較した動画を公開しています。
登場するのはグロック、ベレッタ、H&Kの大御所から、イタリアのタンフォグリオ、アラブ首長国のCaracal、そして動画の公開元であるArsenal FirearmsのStrike One。
このように銃身の中心線とグリップの付け根の間の距離がそれぞれ表示されます。この距離が小さければ小さいほど跳ね上がりが小さいのは、以前DNAでもご紹介した旧ソ連の発禁競技用ピストル「MC-3」でも書いた通り。
跳ね上がりの大きさと1発の射撃におけるサイクルタイムが表示されます。
速射するには跳ね上がりが少なく、サイクルタイムが短くないといけません。Strike Oneは銃身の延長線上にロッキングシステムがまとめられているため、銃身位置を低くすることに成功しています。跳ね上がりが明らかに低いのが動画からも分かりますね。
とはいえ速射性能についてはサイクルタイムだけでなくトリガーまわりのメカニズムも重要です。この点についてはグロックのトリガーメカニズムが有名ですが、Strike Oneも同等のメカニズムを搭載していると言われています。動画では1射しかしていませんが、2射、3射の比較動画も見てみたいところです。
動画はこちらから。
Strike One comparative high speed video – YouTube
一昔前は「プラスチックの鉄砲なんてゴミ」というのが定説でしたが、同じくポリマー樹脂のフレームをもつグロックは今やオーストリア軍を皮切りにイギリス軍、スイス軍などの各国軍や多数の警察機関で採用されるベストセラーとなりました。Strike Oneにはどのような運命が待ち受けているでしょうか。
Arsenal Firearms社は各界で話題をかっさらっていったあの「2連銃身ガヴァメント」なども作っているだけに油断できません。
High speed Double Barrel Pistol – A NEW Movie by Arsenal Firearms – YouTube
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