[字幕動画]80年代に撮影されたFBIのHRT(人質救出チーム)を30分間みっちり紹介する内部向け動画
「デルタ・フォース」や先日ご紹介した情報支援活動部隊ISAなど、80年代はアメリカの特殊部隊にとって夜明けの時代。こちらのFBI(連邦捜査局)の切り札、HRT(Hostage Rescue Team……人質救出チーム)の内部向け動画にも当時のさまざまな試行錯誤と奮闘の跡があります。
FBIのあらまし
アメリカ連邦捜査局FBIは、アメリカをスパイやテロリストなど敵国による内側からの攻撃を防ぐための組織です。
アメリカには50州それぞれに独自の警察システムがあり、他の州で起こった事件については基本的に関与しません。しかしスパイ行為は州をまたいで行われるため、警察では手を出すことができません。
もともとFBIは州をまたいで行われる経済犯罪を監視する司法省の1部門でした。しかし1901年のマッキンレー大統領暗殺にみられる無政府主義者の増大や禁酒法時代にみられたマフィアなどの組織犯罪をとりしまるべく「国内に向けての諜報・捜査機関」として大きく成長をとげることとなります。現在は人員1万人以上、全米に支局を持ち日々捜査を続けています。
通常のSWAT部隊とHRT
FBIの武装部隊、HRTは1984年のロサンゼルスオリンピックを目前に、すでに各地の自治体警察に存在していたSWAT部隊(重武装の攻撃部隊)で対応できないような大規模テロに備えて組織されました。
FBIの56ある支局はそれぞれ独自のSWAT部隊をもち、そのうち14部隊は強化部隊(Enhanced SWAT)として海外派遣にも対応しています。
しかしバージニア州クワンティコに配備されたHRTはヘリからロープで滑り降りるファストロープや船舶への臨検、夜間戦闘など軍事レベルの戦闘能力を有しており、一般のFBI SWATとはまったく違う集団です。
実際、創設時にはアメリカ陸軍デルタフォースや海軍のシールズ、タスクフォース160(航空部隊……後のナイトストーカーズ)からのノウハウの提供があり、HRTはまさに特殊部隊というに相応しい能力をもった部隊です。
以下はFBIアカデミーでの内部資料として用いられていたビデオが公開されたもの。キャプションの「1985年」から、創立直後に撮影されたもののようです。
下の「Select Language」タブから「Japanese」を選択して再生すると字幕が表示されます。動画が表示されていない場合は、何度か「F5」キーを押してページの表示を更新してみてください。
H&K社の短機関銃にブローニング社の拳銃など現在主流と呼ばれる装備とはまったく違ったものが使われていたのが見所の一つ。現在の特殊部隊を描いた「ネイビーシールズ」などと見比べてみるのも面白いのではないでしょうか。
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