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「マンガと児童性的虐待の因果関係は立証できない」とデンマークで報告


「児童が性的に虐待されるようなマンガを読む人は、それに影響されて性犯罪者になる」というのは一見もっともらしい理屈のように思えます。また警察発表や報道で「児童に対する性犯罪者は、児童が性的に虐待されるようなマンガを読んでいた」と言われているのもよく目にします。しかし、こうした児童への性的虐待を描いたマンガと犯罪行為の増減に因果関係は見つからないというレポートが、デンマークの司法省に提出されています。


レポートはコペンハーゲン大学病院のSexologisk Klinikが作成したもの。社会問題相のカレン・ハカラップが「性的犯罪を犯す傾向がある人はマンガやアニメの世界にのめりこみやすい傾向もある。そしていつの日かかならず実際にやりたくなるものである」と問題提起したのをうけてのもの。

調査の結果「マンガと児童性的虐待との因果関係を立証した証拠はみつからなかった」 というレポートが司法省に提出されました。

証拠は見つからなかった、というのは因果関係はないということではないので、これから発見される可能性ももちろん考えられます。

性的表現と性犯罪の因果関係、そして性的表現の規制については非常にいろいろな論点があり、一筋縄ではいきません。被害者の人権を守ることはもちろんですが、児童への性向をもって生まれてしまうのは悪いことなのかという加害者の人権や、何を虐待とするのかという基準の問題、フィクションで行われることを取り締まってよいのか……など、単に被害者-加害者だけの関係ですまないことが複雑さに拍車をかけています。

デンマーク国内でも賛成・反対両方の声があるようで、たとえば隣国のスウェーデンやノルウェーではこうした児童性的虐待への表現規制があることから「ポルノをもとめて来国する人が増えるのではないか」と心配する人もいるようです。

また因果関係の有無はともかく「人の頭の中身を覗いて犯罪を予防、治安を維持する」というアイディアは歴史的にこれまで何回も失敗しています。表現の規制が必要ならそうすべきですが、まったく違ったアプローチが求められているのではないでしょうか。

ソース:Report: cartoon paedophilia harmless | The Copenhagen Post | The Danish News in English

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