飛行機に乗せるMacBookAir「13インチは要検査で10インチは素通し」の謎
ノートPCと飛行機の相性の悪さについて、嘆く人は多いように思います。離着陸の時はしまっておかなければならず、手荷物検査では他の荷物と分けて検査しなければいけません。バッテリーやHDDを抜き出してよからぬ物を詰める、ということもできるので検査の必要性は分かるのですが「13インチは要検査で10インチは素通し」というアメリカ・運輸保安局(TSA)の規定はちょっと不可解です。
ニューヨークタイムスのレポーター、マット・リヒテルによれば
ごく最近、サンフランシスコ空港で手荷物検査の列に並んでいたときのこと、私は半ば義務としてノートPCをカバンとは別のトレイに置き、検査機にかけてもらった。
バックパックにはiPadも入っていたので「すみませんが、iPadも取り出さなければいけませんか」と係員にきいた。すると「この空港では必要ありません。よそでは分かりませんが」という回答だった。
(出典)
ノートPCは別検査でiPadはスルー。いったいその境目はどこにあるのでしょうか。重さでしょうか、それとも容積なのでしょうか、それとも何かまったく別の基準なのでしょうか。調査の結果、アメリカ国土安全保障省はこのような見解をもっていることが分かりました。
標準的なサイズのノートPCよりも小さな電子製品は取り出す必要がありません
(出典)
「標準的」……というのはどれくらいか、というと
これらのルールを適用すれば、MacBook Airの11インチモデルはカバンの中で問題ありませんが、13インチモデルは検査の際に取り出していただかないといけません。
(出典)
とのこと。
タブレットPCの中身を取り出すことは不可能ではなく、11インチのMacBookAirの内部の容積は13インチのものとそう大きく変わりません。いくらさばく数が多いとはいえ、ディスプレイのサイズだけで決める、というのは不可解な基準です。
安全を確保するに厳密な検査は不可欠です。しかし、アメリカ国土安全保障省の運輸保安局(TSA)の検査は服の下が全部見えてしまう「全裸スキャナ」など、プライバシーの侵害が常に指摘されてきました。そんな厳しい検査なのに、判断基準があいまい……というのは納得できる話ではありません。
あるいはTSAには外部に秘密の色々なルールがあって、それにのっとって検査を行っている可能性もあります。しかしある内部の人間はこう語っているそうです。
ノートPCに関するルールは外面のためにあるんだ。他の人に対して、何かテロ対策を打っているように見せているんだ。「セキュリティー劇場」だよ
(出典)
ソース:The Mystery of the Flying Laptop – NYTimes.com
The TSA Blog: Traveling with E-readers, Netbooks, and Other Small Gadgets (Including the iPad)
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