「女王様、私たちの結婚式においでください」冗談で手紙を出したらほんとにエリザベス女王がやってきた
王家というのはその国のシンボル。イギリスといえばちょっとひねったユーモアの国なのですが、まさにそれを象徴するようなユニークな事件が起こりました。冗談で結婚式の招待状を送ったら、本当に式場にエリザベス女王がやって来てしまったのです。
事件の中心人物はイギリス・マンチェスターでヘアサロンを営むフランセスとサロン用品の販売業を営むジョン。2人は結婚式を市役所の古い建物で挙げようと、何か月も前から予約をしていました。
しかし、結婚式まで1か月となったある日、2人のもとに担当者から電話が入ります。「同じ日、重要なVIPが同じ建物に来られるのです」なんとその日、イギリス女王エリザベス2世が即位60周年の御幸としてマンチェスターの市役所を訪れているというのです。
ならば、とジョンさんは「軽い気持ちで」女王に招待状を書くことにしました。「今まで誰にも手紙なんて書いたことはありませんでした。でも失うものなんかないし返事をくれればそれでいいかなと。だから『マンチェスターで素晴らしい日をお過ごしになられますようお祈りいたします。お時間がございましたら、私どもは隣の建物で式を挙げておりますのでお寄りください』と送ったんです」
やがて王宮の女官から、招待への感謝、出席することができないことへの謝罪、そして2人の将来への祝福を書いた手紙が届きこの話は終わったかのように見えました。
しかし、結婚式の日、2人が誓いの言葉を述べ控えの間に下がった後のことでした。女王その人が夫のフィリップ王子と警護の武官を連れてやってきたのです。
二人を祝福するエリザベス女王の動画。
Queen Elizabeth gatecrashes Manchester wedding – YouTube
「女王陛下は『いまどのようなお気持ちですか』とお聞きになりました。そして私たちを祝福してくださいました。王子は、私たちのハネムーン先のイタリアでの予定をお聞きになりました。しなくてもよいことをしてくださったのです。素晴らしく貴重な体験です」とかたるジョンさん。
列席者で2人の友人であるピーターさんは「式場に入るのにセキュリティチェックがあったから、ああ女王陛下は本当にこの建物の近くにいるんだな、と思った。でもまさか本当にやってくるとは思わなかった」と驚きを述べています。
気まぐれなのか、それとも周到にスケジュールが調整されたのかはうかがい知ることはできませんが、予告せずにサプライズイベントにしてくるあたりにチクリとしたイギリス人のユーモアをうかがうことができるイベントでした。
BBC News – Queen’s wedding visit at Manchester Town Hall ‘the best present’
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