19世紀末のロンドン貧困マップと21世紀の肥満分布マップが奇妙な一致を見せる
貧富の差は固定しているのか、それとも時とともに変化するのか。最近は日本でもよく聞かれる話題ですが、それについてかなり興味深い事実が明らかになりました。貧困なエリアが移動せず、衛生状態も悪いままになっていることを示す研究が発表されています。
左側が現代に作られた「肥満レベル分布」、右側が19世紀末に作られた「貧困レベル分布」二つのうち、特にひどい肥満と特にひどい貧困を表す地域(黒い丸部分)が同じところに指しているのが分かります。
右側の地図は、当時の社会福祉研究家であったチャールズ・ブースの手になるもの。当時の平均寿命は男性が45歳、女性が48歳という苛烈なもの、乳児死亡率も1000人中140人という高いものでした。
左側の地図はロンドン大学の公衆衛生の専門家、ダグラス・ノーブル博士が今回British Medical Journal誌に発表したもの。丸がついたエリアは移民が多く平均所得も低い上、肥満と飢餓の違いがあるとはいえ、100年前と同じように不健康であることもわかりました。
「貧困エリアと肥満エリアが重なることは不思議ではないが、驚くべきはこの状態が100年も続いていることだ」と述べたうえで「幸いなことに肥満は予防できる。電子記録をこのように利用することで、保健にかける予算を減らすことができるのではないか」と研究の有用性を説いています。
この2つの写真に写っているようなことが、時を隔てて同じところで起こっているのですよね……実に不思議です。
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