空中で静止・映像送信が可能な体長わずか16cmのハチドリ型偵察ロボット
各国ではより「味方を死なせない」戦争を目指し一方的な攻撃が可能になるような兵器・デバイスの開発が進んでいます。無人偵察機もそのうちの1つ。敵に近づくというもっとも危険な仕事をこなすため、超小型の鳥形ロボットやハエほどの大きさのはばたき飛行機など様々な偵察装置の研究・開発が進んでいます。
これはアメリカの無人機・電気自動車メーカー、AeroVironment社が開発に5年、400万ドルの費用をかけて開発されたもの。最初は屋内で数十秒だった飛行時間が最後は風のある屋外で8分間に伸び、カメラから映像を送ってくるまでになっています。
YouTube – DARPA Nano Air Vehicle (NAV) program
アメリカ国防総省の研究機関DARPAでは近年、こうした超小型飛行機に対して多額の投資をしており、このNano Hummingbirdもその一部が投じられています。
もちろん日本も負けてはいません。こちらは千葉大学が開発したハチドリ型ロボット。重さわずかに2.6gと超軽量で、高度10mを6分間ホバリングできるというもの。軽量なだけのものはホビーの世界にもありますが空中で停止できるモノはなかなかありません。受信機を軽くできる赤外線リモコンを使ったり、モーターやバッテリーも小型化するなど、あらゆる部分を詰めて作られています。
YouTube – Robot Hummingbird
軽く小さいだけならこんなものも。ハーバード大学の研究者によって作られたハエ型ロボット。重さわずかに60mg。モーターではなく、電圧をかけると変形する導電性ポリマーで動くというもはやSFの世界のガジェットです。あまりに小さいため、理論を整理した後、製造するための設備作りからとりかかる必要があったということです。
YouTube – Asymmetric wing flapping in a robotic insect
こちらもDARPAの資金が投入されているとのこと。役に立ちそうならとりあえずお金を出すイメージのあるDARPAですが、その仕事っぷりも是非一度見てみたいものですね。
Robotic Insect Takes Off – Technology Review
関連記事
「張り込み用対人レーダーPR200cの使い方」の図がなんだかおかしい - DNA
電波や光線、匂いなどあらゆる手段を利用する最新の「追跡技術」いろいろ - DNA
ロボットサイエンスがまた1歩進化、今度は「タオルを折れるロボット」が誕生 - DNA
厳重すぎてロボットだけでなく人間も弾いてしまいそうなCAPTCHA認証 - DNA
「人類史上最強」のボウリング・ロボットが人間のボウラーに負けた意外な理由 - DNA
「デトロイトにロボコップの銅像を!」運動に約480万円の募金集まる - DNA