科学と技術

マッハ5の弾丸で厚さ3cmの鉄板を打ち抜き、その後7kmも飛ばしてしまうスーパー・レールガンの動画


超強力な電気の力で金属の弾を射出するレールガン(電磁加速砲)は、理論上火薬を使った砲よりも速い弾を遠くに撃ち出すことができるため、上陸攻撃を支援するための砲としての活躍が期待されています。


General Atomics社が開発したBlitzer(電撃)レールガン。レールガンというと電気を流した2本のレールの間を電磁石となった導電体の弾が飛んでいくもの、というイメージがありますが近年は弾の後部に発生させたプラズマに電気を流し弾を押し出すものが研究されています。

マッハ5から6という猛烈な速度で飛んでいくため変な形の弾丸では横転し飛距離や精度を落ちてしまいます。そのため流線型の細長い弾が開発されました。

砲身の中にある間は装弾筒(サボー)にくるまれていますが、飛び出すと分離し空気抵抗を減らす仕組み。

フィンがついており空中での姿勢が安定します。同じコンセプトの砲弾はすでに戦車などでAPFSDS弾として使われています。

非常に高い初速と相まって角度をつけずまっすぐ撃ち出してもかなりの距離まで飛ばせます。

破壊力はこの通り。この後さらに7kmも飛ぶという恐ろしい威力です。

動画はこちらから。

こちらはアメリカ海軍が2010年12月に33メガジュールで弾丸を発射し世界記録を達成した際の動画。戦艦の主砲の1割程度の威力ですがそれでも先の記録の3倍というもの。技術は進歩しています。

発射した後空冷装置が動き出すのがなんともカッコイイです。
YouTube – Electromagnetic Railgun world record setting event

レールガンを使うためには強力な蓄電設備が必要になるため、軍艦に搭載して上陸作戦の支援砲撃に使うという計画がたてられています。現在その用途で使われているトマホークのような巡航ミサイルは1発あたりの価格が高額で、しかも場所をとることから1隻にあまり多くを搭載することができません。しかしレールガンであれば同じだけの射程をカバーすることができ、しかもより多くの弾の雨を降らせることが可能です。

実戦に使うにはまだまだ威力が小さく設備も巨大過ぎますが、今後の進化に注目したいところです。

ソース:“We were launching hypersonic bricks at Mach 5, Mach 6″ | Defense Tech

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