ついに真打ち登場、ウクライナの超巨大輸送機「アントノフ An-225ムリーヤ」が日本にやってくることが決定
先日、ロシアからの支援の一環として巨大輸送ヘリ「Mi-26」がやって来ることをお伝えしましたが、その際「アイツは来ないの?」と話題になっていたのが世界で最も荷物が積める旧ソ連の超巨人機「アントノフ An-225ムリーヤ」。長らく登場が待たれていましたが東北地方太平洋地震の復興のための支援物資を満載して、いよいよ来日するようです。
今回ムリヤをチャーターしたエアーパートナーズ社のフランス事務所によると、フランスからの支援物資145トンを運ぶため、成田空港に飛来するということです。ムリヤを所有するアントノフ・エアラインズの広報担当者は「我々アントノフと日本はビジネスを通じて深い関係にある。皆さんの、被災された方への心痛を我々も共有したい。An-225は復興にきっと役立つだろう」とコメントしています。
アントノフ An-225ムリーヤは元々ソ連版スペースシャトル「ブラン」を輸送するために設計された超重量級の輸送機。機体と貨物をあわせた最大離陸重量は実に600トン。1988年に初飛行した際、同時に106の世界記録を破ったというザ・巨人機です。
ちょっと巨大すぎて人間が見えませんね。
2機発注されたもののソ連崩壊のどさくさに紛れて完成したのは1機のみ。世界にこれしかないという貴重な機体がやってきます。
もう何とサイズを比べたらいいか分かりませんが……右の駐車場にあるのは大型トラックです。
東側の戦闘機と並ぶムリーヤ。
ジャンボジェットなどとの比較。青がボーイング747、赤がエアバスA380、緑がムリーヤとなります。背景の青い線は同縮尺のサッカー場です。
ファイル:Giant planes comparison.svg – Wikipedia
An-124輸送機を元にエンジンを2つ追加し胴体を延長したまさに重量貨物専用機。
1988年生まれとあってレトロな操縦席です。
エンジンが6つあるのでスロットルレバーも6本。
後部ランディングギヤはタイヤだらけです。
2010年6月21日、名古屋セントレア空港に着陸した際の様子。
YouTube – Antonov An-225 Mriya Landing at Nagoya
こちらは離陸シーン。このときはハイチ地震復興のための資材を運搬するためにチャーターされました。
YouTube – An225 成田離陸(2010年2月9日)
何が積めるかというところですがむしろ問題は荷物の重さよりも大きさ。積載量は250t~300tと言われていますがコンテナのような普通の貨物はスカスカなので、ムリーヤの貨物室をいっぱいにしても250トンにはならないと思われます。
10トントラック20両分の貨物が載せられるので、このようにトレーラーハウスをトレーラーごと運んだりするのは楽勝です。重量だけなら戦車4台くらいは乗ります。
World’s Largest Aircraft loads cargo in Edmonton | Momentary Shutter Photography
弟分のAn-124でも電車丸ごとなんていうワザが可能。
コンテナを2列に並べられる貨物室。今のところ2009年8月11日にフランクフルト・ハーン空港で積んだ187.6トンの発電機が最高記録(空輸された単一の貨物の世界記録)となっているようです。
これはちょっと小さい弟分、An-124が日本に来たときの逸話。こういう使われ方はよくするようですね。
437 名無しさん@3周年 :04/08/24(火) 01:10 ID:UYotMEbF
米国の某プラントメーカー。一旦契約した納期を一ヶ月半前倒ししろ、とか言ってきたことがあったな。
発注担当がアフォだったらしく、日本→アメリカ西海岸までの輸送期間を考慮しないで納期を設定してしまったんだと。
45トンの鍛鋼軸モノ。どう考えてもフネで運ぶしかないだろ。フツーに40日かかるわい。「知るか、アフォ、輸送期間を縮めるしかないわい」とか突っぱねた。
でも、本当は縮められたんだよね。工期に多少余裕あったし。
それで、工期縮めて「特急料金」でももらおうか、とか思ってたんだが。そしたらその発注担当、航空便で引き取る、などほざきやがった。
飛行機を差し向けるから、それに載せろ、とか言う。
そんな飛行機あるかよ、と、こっちはせせら笑ってたんだが。数日後、最寄りの空港にアントノフがやってきた。
絶句したね。
本当にやりやがった。製品代価が20万ドル、アントノフのチャーター料はその4倍だったらしいよ。
スケールのデカいアフォだったな。438 名無しさん@3周年 :04/08/24(火) 01:56 ID:HjS6+5P1
ん?製品が20万ドル??
ってことは、2000万円ほどしかしない物なの?439 437 :04/08/24(火) 02:19 ID:UYotMEbF
>>438
ちょっと記憶違いだった。正しくは30トン強。
キロ単価700円弱。
素材なんてそんなもん。精密機器とは違うよ。
素材は買い叩かれて、ホント、大変ですわ。
スリット加工まで済ませて仕上げれば、少なくとも倍の値段で売れるのだが。素材と運賃で合計100万ドルとか言ってたな。そのアフォ。
情報を嗅ぎつけて、飛行機ヲタが全国からかけつけてたのには正直萎えた。
アントノフだよ。でもノーマルだね。とかホザいていやがった。
またこちらはナイジェリアで行なわれるロックコンサートのために、舞台設備一式すべてをイギリスから空輸したときの動画。別便で運ぶと紛失の可能性がある時などは、こういう運び方のほうが安全ですね。
YouTube – Antonov 225 Myria Departs Manchester
元々はこうしてブランを運搬するために作られました。垂直尾翼が二つに分かれているのはその際ブランから発生する気流の影響を避けるため。
MAKS・スペースプレーンを空中から発射するための母機とする計画もあったようです。
ブランを載せて飛ぶムリーヤ。
YouTube – Shuttle Buran & Antonov AN225 Mriya
「ムリーヤ」はロシア語で「未来への夢」の意。その通り、被災地に夢と希望を運んでくれることを祈りたいと思います。
English Russia » AN-225 “MRIA” – The Biggest Aircraft In The World
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