新作FPS「Battlefield 3」の徹底的な銃声レコーディングの風景
最近のゲームでは実写と見間違えてしまうほどのビジュアルが売りになっていますが、その裏でゲームを支えているのは「音」。いかに見た目がすごくても音が嘘くさければ魅力は半減しますが、話題の新作FPS「Battlefield 3」ではこのようなことがないよう、ちょっと偏執的なまでの録音がされているようです。
マイクの種類と指向性(コンデンサー、ダイナミック、民生用カメラetc)、銃までの距離、置き方(ワンポイントステレオ、セパレート)、プリアンプなどを変えることでどのように録音が変化するかを試しています。
EA DICE PKM Gun Recording Microphone Type, Position & Pre Amp Comparison – ben(dot)minto(at)dice(dot)se on Vimeo
録音はセッティングで相当に音が変わる職人の世界。近づけば銃の金属がこすれる音、遠くから録れば反響音がより多く含まれるようになり、どういう音をどれだけ混ぜ合わせるかが腕と耳の見せ所になります。
録音距離を色々変えた音を用意してゲーム内で使い分けることでリアルな距離感を出したり、室内で録音して壁の材質による反響の違いを表わしたり、効果音は臨場感を出す重要なアイテムの1つ。
また、民生用のビデオカメラなどわざと質の悪いマイクを使っているところを見ると、カットシーンでそうした映像が出るのかも。ソフトウェアで処理するよりも、こうして実際の音を使えばぐっと本物らしい音になります。
開発元DICEの音響ディレクター、ステファン・ストランドバーグ氏はインタビューで以下のように語っています。
「アグレッシブで誇張が効いており、かつ長時間プレイしても疲れない音を目指した。よりメリハリがあってノイズが少なく、どこに何があるかが聞き取りやすくなっている。
かといって映画のような音付けをするつもりもない。映画とゲームは別物だ。人間は音を手がかりに周りの環境を認識しており、そこを大事にしたい」
実際にどのような音がつけられているのか、予告編はこちら。
予告編その1。
YouTube – Battlefield 3: Official Fault Line Gameplay Trailer
演出について、ちょっと面白かったのが劇中の「フ○ック」という卑語の消し方。レーティングの都合上こうした罵倒語は消されることが多いのですが、単純に「ピー音」を入れるのではなくクラクションの音をかぶせて聞こえないようにしており、極力雰囲気を壊さない気遣いがされています。
予告編その2。ほふく前進ができるようになったり障害物の破壊シーンが出てくるなど、よりゲームの特徴が出た動画となっています。
YouTube – Battlefield 3: Official Gameplay Trailer – Fault Line Episode 2
かなり色々な音が同時に鳴り、環境音まで含めて一つ一つの音はかなりクリアな感じ。銃声も心地よさより「うるささ」が勝つリアルなもの。ただその分情報量が多くなり聞き疲れする部分も感じました。
また音の定位と映像が微妙に合わなくて酔う人は狭いFOV(視野角)の影響もあるかも。これについてはまだアナウンスがありませんが、前作でも一部から指摘の声があった部分でもありセッティングで改善できるようになっていて欲しいところです。
それにしても、これまでのデフォルメした造形からがらっと変わってリアルさを強調してきました。明らかに「Modern Warfare」シリーズを意識してきたように見えますが、これが吉と出るか凶と出るか。発売が楽しみです。
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