モジュラーレシーバーシステムを採用したコルト社の新型自動小銃「CM901」がデビュー間近
1960年代に誕生し50年近くたった今も米軍正式採用小銃でありつづけるM16シリーズですが、さすがに現在の戦場におけるニーズに対応しきれていない部分が大きくなってきました。これをうけてコルト社は新たに7.62mm弾を含む様々な弾薬を利用できる自動小銃「CM901」を開発、段々とその姿が明らかになりつつあります。
これは、アメリカの銃火器の話題を扱うブログ「Defence Review」がコルト社の関係者からのオファーを受けて取材したもの。コルトモジュラーカービン（CMC）モデルCM901は、アフガニスタンやイラクといった戦場にフォーカスを移したアメリカ陸軍の要望を満たすもので、AR系ライフルの操作系を継承し、一般的な兵士誰もがスムーズに移行できることを主眼として開発されました。
最大の特徴であるモジュラーレシーバーシステムにより、7.62mmNATO, 5.56mmNATO以外にも6.8mmSPCや6.5mmグレンデルといった多様な弾薬に対応できるようになります。
アッパーレシーバーは旧来の5.56mmのM16系のものや、LE6940のような一体型レシーバーを使用可能で、バレル長の選択肢が幅広い。動作方式についても従来のリュングマン方式のほかに、Colt APCで採用されたガスピストン方式にも対応している（Colt SCWのようなバッファチューブが短いタイプのものは不明）。つまりあらゆるコルト社互換の5.56mmアッパーを使用することが可能となっています。
7.62mmの場合のマガジンはマグプル社のものやSR25・M100のものを利用できます。動作方式はリュングマン方式をデフォルトに、ガスピストン方式とのハイブリッドのものを開発中とのこと。また、ストックやトリガーグループなどのアフターパーツも旧ARのものを利用可能だそうです。
CM901と交換用アッパーレシーバー。レールの形状やバレルの口径・長さなど様々なバリエーションから任務にあわせたものを持ち運ぶことができる。交換に工具は一切必要ない。
左側面。操作系は現行のM16・M4系統と大きな変化はないが、マガジンキャッチは左右どちらからでも操作できるものとなった。
ボルトリリース、セレクターレバーもアンビのものに進化。この辺りは旧M16、M4系統からのフィードバックが十分にできていると思われる。
サイズに大きな変化はない模様。
5.56mmレシーバーで射撃するコルト社の関係者。現行の小銃とほぼ同じ取り回しになっているようだ。
7.62mmレシーバー。かなりコンパクトなサイズに納まってているといってよいのでは。
こちらはモジュラーシステムのパテントと思われる写真。ロアレシーバーのマガジンハウジングが取り外せるようになっており、様々な形状の弾薬に対応できるようになる模様。
Modular firearm – Google Patent Search
現代の米軍兵士は、異なる光学機器それぞれに合わせてアッパーレシーバーを用意し作戦ごとにセッティングを変えることに既に慣れています。にもかかわらず同様のモジュラーシステムを採用しているFN社・SCARの5.56mm版の軍への納入が見送りになったのは、やはり既存のアッパーレシーバーの利用ができなくなるためと考えられます。旧来のアッパーレシーバーシステムをそのまま使えるこのシステムは、次の正式5.56mmライフルとしてかなり有力と言えるでしょう。
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