「第9中隊」 – ロシア史上空前の規模でアフガニスタン紛争を描く戦争ドラマ
「敵」といえばソ連をはじめとする共産主義陣営を指した時代、「博士の異常な愛情」「ファイアフォックス」など、彼らを敵として数々の映画が作られました。今、冷戦終結20年を経てゲームや映画などのエンタテインメント業界では「Call Of Duty」最新作や「善き人のためのソナタ」など、かつての「敵」を新たな角度から捉えなおすのが流行しているようです。
ロシア映画「第9中隊」はアフガニスタン紛争中の1988年1月7日から8日にかけて行われた3234高地を巡る戦いをもとにした戦争ドラマ。戦争最後の年、徴兵され、厳しい訓練を潜り抜けた若者達を、訓練とは比べ物にならないほど過酷な戦場が待ち受けます。アフガニスタンにより深く浸透したいソ連軍第345独立親衛空挺旅団第9中隊は重要な道路を見下ろす3234高地を占拠、しかしその直後その数倍ものムジャヒディンによる反撃が行われます。孤立した高地から彼らは脱出できるのか。
ロシアのアフガニスタン紛争を描いた映画としては史上空前の予算で製作され、2005年のロシア国内の興行成績はぶっちぎりのトップ。アカデミー外国語映画賞のロシア代表としてもノミネートされました。同じ年に出品された、これも冷戦下の東ドイツを描いた映画「善き人のためのソナタ」がもし出品されていなければ、本選に残れたのかもしれません。
これほど話題となった作品ながら、日本では未だ知名度が低いまま。アメリカでは最近DVD版・Blu-Ray版がリリースされたようで、この機会に日本でも上映して欲しいところです。
2011/09/12追記:
日本では2011年6月より、プライムウェーブ・ネクシード株式会社から「アフガン」と改題されDVD版が発売、レンタルも開始されているようです。
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