科学と技術

戦闘車両をバッテリーだらけにできる「防弾電池プレート」をレイセオン社が開発


今日の兵器は電子機器のカタマリ。使うには大量の電力を消費しますが、バッテリーは重くかさばり、移動速度や燃料の備蓄に影響を与えます。そこで軍需産業の大手・レイセオン社は、装甲板に電池を内蔵するという技術を開発、車両全体の重量にあまり影響をあたえることなく巨大なバッテリーを内蔵する方法を編み出しました。

近年の戦闘車両はレーダーや暗視装置、照準用コンピューターなど多数の電子機器を使用しています。これらは電力を大量に使用するため、足りない分はエンジンをかけて発電して補う必要があるのですが、戦闘区域ではエンジン音や熱で敵に発見されやすく危険となります。

今回レイセオンが開発したのは防弾素材とセラミックを積層させてバッテリーを構築するという技術。現在のところは7.62mmNATO弾を止める性能があり、万一一部が破損しても他のセルに影響を与えず、継続してバッテリーとして使える機能があるとのこと。

レイセオン社が公開している写真。

発電のためにエンジンをかけ続ける必要がないということは、エンジンの稼働時間を減らし寿命を延ばせるということでもあります。

また、車両の燃料の使用量を減らせるため、燃料輸送の回数を少なくできるのもポイント。米軍の統計では2010年には約1000回も燃料輸送コンボイが襲撃されており、これを少なくできれば死傷者を減らすことにもつながります。

太陽電池や風力など環境に対して低負荷ながら発電量が不安定なエネルギー源を軍事基地に導入する場合、多数配備されている軍事車両全体を巨大な蓄電池として用いる「マイクログリッド」化にも有利です。

主目的は車両用の装甲ですが、特許書類では個人用防弾プレートへの応用についても触れられていました。通信機やナイトビジョンなどを使う際に、予備バッテリーを持ち歩く量が減らせます。

ところで「作業用強化外骨格への応用」と題して添付されていた画像もなかなか興味深いものがあります。

兵士個人の筋力を増加するための「パワードスーツ」は、戦闘用・作業用など用途はともかく本気で開発が進んでいます。こうした用途はうってつけの新技術となりそうですね。
DARPAが開発した「筋力増強スキンスーツ」をアメリカ陸軍が評価試験開始 – DNA

また何かの装備品にバッテリーを仕込んで大量に持ち歩くためには、配線も問題になりますが、これも導電繊維を用いたユニフォームがテストされています。火薬ではなく電力で戦う時代は「もう来た未来」になっているのです。
イギリス軍、兵士のIT化のため「導電性ユニフォーム」を年末までに試験導入 – DNA

ソース:Raytheon: Batteries that Stop Bullets – Rechargeable armor could save precious power in battlefield

Patent Images

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