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アメリカ国防総省DARPAが究極の生存性をもつ次世代型戦闘車両のコンセプトを公開


「戦車」が本格的に使われるようになって約100年。そろそろ分厚い装甲で車体と乗組員を守るのには限界があるのではないだろうか……ということで、まったく違ったやり方で生存性を高める戦闘用車両をアメリカ国防総省の研究機関・DARPAが研究・開発をしているようです。

現代の戦車の原型は第一次世界大戦に現れました。強力な装甲と武装で味方兵士たちの盾となりながら、相手の防御陣地を突破する……というのが主な使われ方でした。

当然戦車を撃破するために対戦車兵器が発達します。戦車の方はそれに打ち勝つため、さらに強力な装甲と武装を施し、大型化して生き残る能力、生存性を高めてきました。

ところがあまりに装甲が分厚く大きいと輸送や補給に重大な問題が発生します。より多くの物資や整備時間が必要となり、広い道路・ある程度のスペースがないと運用できないことになります。

地雷やIEDに備えて重厚な防御を施した「MRAP」の例。
ファイル:FPCougar.jpg – Wikipedia

現在の戦闘用車両はそういう意味で進化の限界が近づきつつあります。こうした大型化・重厚化を行わず、車両や乗員の生存性を高めることはできないのか、というのが今回のGXV-T計画の要旨です。

基本的には、極限まで機動性を高めた小型の車両を用い、砲弾検知システムを使って被弾を回避するというもの。サイズは半分、乗員も半分、速度は2倍、地球上の地形の95%を走破できるデザインを目指しています。

砲弾検知システムを使い、攻撃された方向にシールドを向けて砲撃を防いでいるシーン。

着弾する前にロケット弾を叩き落とす防御システムはすでに存在しているので、こういうものを使うかもしれません。
DARPA’s Iron Curtain Active Protection System – YouTube

高い走破性能、そして機動力の高さで砲弾を交わすというコンセプト

コンピューターの支援により、運用人員を減らすこともできます。

動画はこちらから。
GXV-T Agility Concept Video – YouTube

装甲よりも機動力によって生存性を高める、というコンセプトは戦闘機開発では時々聞かれる考え方ですが、地上用車両にもその波が来ているということでしょうか。どのような戦争を想定しているのかも気になります。

ソース:2014/08/18 New Ground X-Vehicle Technology (GXV-T) Program Aims to Break the “More Armor” Paradigm for Protection

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