科学と技術

アメリカ国防総省DARPA、ターゲットに向かって進路を自動変更する50口径弾の開発・試写に成功


誘導装置や安定翼のついたミサイルならともかく、銃弾は一度発射されたらまっすぐ飛んで行くだけというのがこれまでの常識でした。しかしアメリカ国防総省のDARPAが開発した銃弾は、なんと一度狙ったターゲットを追いかけていくホーミング機能を搭載していました。

こちらの銃弾「EXACTO(EXtreme ACcuracy Tasked Ordnance・極限精度課題達成用弾薬)」はアメリカ国防総省国防高等研究計画局DARPAと、同局が2500万ドルを出資したTeledyne Scientific & Imaging社が2012年1月から共同で開発したもの。早ければ2015年にも実用化されるという見通しです。画像はDARPAによるもの。

普通の大型ライフルや重機関銃から射撃できる「50口径」であること以外、誘導原理などEXACTO弾のスペックについて詳しいことはほとんど公開されていませんが、ライフルに搭載した特殊な光学システムによって誘導が行われるとのこと。おそらく以前から紹介しているTrackingPointのようなコンピューター化照準器のようなものを使用するものと思われます。

EXACTO弾の軌跡。本来なら銃身から放物線を描く銃弾(赤線)がターゲットに向かって方向を変えながら飛んで行く(緑線)のがよく見てとれます。

軌跡を記録した実験映像がこちら。
EXACTO Demonstrates First-Ever Guided .50-Caliber Bullets – YouTube

同様の弾丸としてロッキード・マーチンが出資しているサンディア国立研究所が研究していた銃弾があります。銃弾の誘導についてはEXACTO弾に1歩先じていましたが、こちらはサボー(被筒)に包まれライフリングのない銃身から回転させずに射出するというかなり特殊な銃弾でした。またターゲットにレーザーを照射して誘導する方式のため、射手・観的手が発見されやすい・スモークなど光を拡散させる障害物に弱いという欠点もありました。
Sandia’s self-guided bullet – YouTube

EXACTO弾と同じく軌跡を変えながら

こうしたホーミング弾は、動きまわる目標に対してもっとも効果をはっきします。しかも外部誘導式なので、銃を持っている人と弾を誘導する人を分けることができます。動画を見れば建物の角を少し回りこむくらいならできてしまいそうですね。兵士の役割を大きく変化させる武器となりそうです。

ソース:Extreme Accuracy Tasked Ordnance (EXACTO)

2014/07/10 EXACTO Demonstrates First-Ever Guided .50-Caliber Bullets

トップ画像:File:US Navy 101206-N-2055M-163 Boxes of .50-caliber rounds sit on the fantail of the aircraft carrier USS Carl Vinson (CVN 70).jpg – Wikimedia Commons

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