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20年間も五体投地で祈りを捧げ続けた老チベット仏教僧の足跡を深く刻む床


チベットにある小さな木造寺院の同じ場所で20年ものあいだ毎日数千回、両手・両足・額の五体を地につけて祈る最高の礼拝方法「五体投地」で祈りを捧げる老チベット仏教僧 Hua Chi 氏。その足元にはその祈りの軌跡を物語るハッキリとした「足跡」が刻まれています。

チベット伝統医学の医師でもあるチベット仏教の僧侶 Hua Chi 氏は、中国西部に位置する青海省(アムド地方)の黄南チベット族自治州同仁県にある小さな木造寺院で、約20年に渡り「五体投地」で祈り続けています。

1. こちらがその「足跡」。一番深いところで約3cmの溝を形成しています。

2. 両手・両足・額の五体を使って祈る「五体投地」

3. このように同じ場所で祈り続けています

4. 前方に倒れる様に祈るため、つま先の方がより深くなっています。

70歳になる Hua Chi 氏は日々の五体投地について「初めの数年間は一日に2000回~3000回祈っていました。しかし老いるにつれ回数が減少し、現在は一日に1000回程度祈るのみです」と語っており、さらに寒さの厳しい冬は一日500回程しか出来ない日もあると小さな声で付け加えています。

5. Hua Chi 氏の近影

Hua Chi 氏の足跡は、若い僧侶たちにも多大なる影響を与えており、同じ寺院に属する29歳の僧侶は「毎日ここに来て、毎日この木の足跡を見つめています。自分自身の足跡を作り続ける後押しをしてくれています」と話しています。

実際の祈りの様子は動画はこちらから。
Monk’s footprints sign of faith. – YouTube

チベットでは五体投地を行いながら聖地へゆっくりと礼拝しながら向かう熱心な仏教徒、寺院の前での五体投地などを見ることが出来ます。

6. チベット仏教の巨大宮殿『ポタラ宮』」の前で五体投地で祈るチベット仏教の信者たち

7. チベット・ラサにあるチベット仏教寺院「トゥルナン寺(ジョカン)」の正門前で五体投地

また、床に足跡を残す事例は、中国・河南省にある少林拳(少林武術)の中心地「嵩山少林寺」でも見ることが出来ます。少林寺の場合は床は木製では無く石畳。頑丈な床が凸凹になるほど数百年に渡る僧侶たちの修練によって足跡が刻まれています。

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途方も無い時間をかけて形作られた人間の「足跡」。そう簡単に理解し実行することは容易ではありませんが、無言ながら雄弁に語るその姿は一度見たら忘れることが出来ません。

ソース:Ageing monk’s devotion leaves deep mark on temple | Reuters

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