科学と技術

海兵隊「動くロボット標的」を使ってライフル射撃技術の研究・実験を行う


より実戦的に、より効率のよい射撃技術をもとめて、アメリカ海兵隊の技術マニュアルは日々更新されています。ライフル射撃についても、より人間らしく動くロボット標的を使って、どうすれば移動ターゲットを効率よく射撃できるかの調査が進んでいます。


海兵隊では1年に1回射撃技術を測定する検定が行われますが、その時射撃される110発のうち、動くターゲットに対して用いられるのはわずか8発。しかも、正面向きのシルエットのターゲットが横に動くので、被弾面積が狭くなる実際の人間を想定したものとは言い難いものがあります。

海兵隊では、実戦の経験をフィードバックしたより現実的なテクニックをつねに研究しています。今回の実験ではライフル銃の様々なテクニックについてそれぞれ命中率やタイムなどを計測、最も有効であるものを調査し今後の教育に導入することを目的としています。

動くターゲットを撃つ海兵隊員。左手の親指が銃身の上に来る「C Clamp Grip」「Thumb over Bore」「コスタ撃ち」と呼ばれる競技射撃スタイルになっている。

動画はこちらから。
Marine Warfighting Lab Experiment Hopes to Make Marines More Lethal – YouTube

上記動画で使用されているのは、オーストラリア軍にも採用されたMarathon Targets社のもの。

同社は4輪式の他、2輪のセグウェイ式ターゲットも開発しています。動的に姿勢制御をしているセグウェイがベースなので人間が走り出す時の微妙な「タメ」も再現しており、どういうタイミングでいかに撃つかを学ぶことができます。

複数台のターゲットに対してプログラミングを行うことが可能で、単純な前後動だけではなく一定のルートを巡回させたり、銃声が聞こえるとターゲット役も一般市民役も一斉に走り回ってパニックを演出させたりと、より現実的なシナリオで訓練ができます。
Robotic Smart Targets – Realism, Complexity, Flexibility – YouTube

その昔は、棒の先に的を付けたものを持った兵士が射撃場の溝の中を左右に歩いて射撃訓練をしていたそうですが、そういう日々からは隔世の感があります。

海兵隊では先日、拳銃射撃の資格認定試験についても改訂が行われたところ。以前はホルスターから抜いた状態からの各種射撃でしたが、改定後のCPP(Combat Pistol Training)ではホルスターからの抜き打ちや速射などが盛り込まれました。
MilitaryClips.com – Marine Corps Combat Pistol Training – YouTube

ソース:Marine Corps Warfighting Lab experiment may lead to possible change in target engagement > Headquarters Marine Corps > News Article Display

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