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3Dアニメの雄、ピクサーのストーリーライターが語る「おはなし作りにおける22のルール」


「トイ・ストーリー」「モンスターズ・インク」など、次々とヒットストーリーを生み出す3Dアニメーションスタジオのピクサー。あの「超王道」かつ「今まで誰も見たことがない」ストーリー展開はいったいどのようにして作られているのでしょうか。ピクサー流の物語の書き方について、中の人自身がまとめたリストがなかなか面白い内容になっています。


このリストはピクサーのStory Artist、エマ・コーツさんがTwitterでつぶやいたものをまとめたもの。どんなHow-To本にも載っていることですが、うっかり忘れてしまいがちなもの、手癖で進めてしまいそうなことがらをうまくまとめています。

1. 登場人物が成し遂げることよりも、彼らがどう努力してそこに到達したかに注目しましょう。

2. 書き手として楽しいかどうかではなく、観客としてのあなたから見て何が面白いのかが重要だということを頭に入れておかなくてはなりません。この2つの立場は大きく違います。

3. テーマ性は重要ですが、最後まで書ききらないと見えてこないものです。書き直すのはそれから。

テーマについては、同じピクサーのアンドリュー・スタントンも似たようなコメントを持っています。

スタントン: それがテーマだったのです 「自分は一体だれなのか?」 一見繋がりがないような ただ時系列で彼の歴史をたどっている 出来事や会話なのですが その根底には一貫して 道しるべがあったのです 映画でロレンスが行った全ては 彼が自分の居場所を見つけようとする試みだったのです うまく語られた物語には 常に強いテーマが流れています

4. テンプレート:昔々あるところに「***」。毎日「***」。ある日「***」。そのせいで「***」。そのため「***」。そしてその結果「***」。その日以来「***」。

5. 簡略化し、フォーカスし、登場人物を統合し、話が寄り道しないように。価値のある部分を捨てているような気がするかもしれませんが、これによってあなたはより自由になるのです。

6. 登場人物の得意なこと、自分自身をとりもどせることはなんでしょうか。その逆の環境においてみましょう。試練を与えましょう。彼らはどうするでしょうか。

7. 中盤にさしかかる前に終わりを決めておきましょう。非常に重要なことです。エンディングは難しいものなので、優先的に作業をすすめましょう。

8. たとえ完璧でないとしても、お話を終わらせて手を離してしまいましょう。理想的な世界ではひょっとしたら完璧なお話がかけるかもしれませんが。また次にがんばりましょう。

9. 行き詰ったら、お話の中で次に「起こらない」できごとのリストを作りましょう。多くの場合、あなたを行き詰らせているものの正体が分かります。

10. あなたが好きなお話を分解してみましょう。あなたが好きなもの、というのはあなたを構成する部分なのです。それを把握して、お話の中で利用してみましょう。

11. 紙に書き出してから整理しましょう。あなたの頭の中にあるものは完璧なアイディアかもしれませんが、誰もそれを確かめることができません。

12. 最初に出てきたアイディアは捨てましょう。2番目、3番目、4番目、5番目……も捨てましょう。安易なものは取り除きましょう。あなた自身をびっくりさせてください。

13. 登場人物には彼ら自身の意見を与えましょう。受身で従順な主人公はあなたの好みかもしれませんが、読者や観客には退屈なものです。

14. あなたがこのお話を語らなければならない理由はなんでしょうか。あなたのストーリーの元となっている、燃えるような信念はなんでしょう。それがカギなのです。

15. もしあなたが登場人物のひとりで、まさにこの状況に置かれたら何を思うでしょうか。ありえないような状況に信憑性を与えるのはそうした正直さなのです。」

16. 登場人物への報償はなんでしょうか。その人物を応援する理由はなんでしょうか。彼らが失敗したらどうなるのでしょうか。彼らの賭けの内容とともに提示しましょう。

17. 努力は無駄にはなりません。ある試みが失敗したら次を試しましょう。いつか別の機会で役にたつものです。

18. 自分自身を知りましょう。体力の限界までやれることと文句が出るような仕事の違いを理解しましょう。物語とは試行です。改善ではありません。

19. 登場人物が偶然トラブルに巻き込まれるのはいいことです。偶然にもそのトラブルを脱することができた、というのはズルです。

20. 練習問題:映画の中で自分の嫌いなシーンを取り出し、あなたの好みになるようにアレンジするとすれば何をどう変えますか。

21. 登場人物や状況について明確に、具体的に説明しましょう。ただ「クールだ」と書かないように。なぜそうなるのかしっかり説明しましょう。

22. あなたのストーリーのエッセンスはなんでしょう。どうやったら一番簡単にあなたの物語を説明できるでしょうか。それが分かれば、そこからすべてを作り出すことができるのです。

ピクサーの仕上げる物語が毎回独創的かつ、均等な品質なのはこうした「シナリオ執筆のルール」について、誰もがきちんと言葉にして説明できるだけの実力があるからなのでしょう。センスや才能ではなく、修練と研究によってそうした実力をもつにいたったというのが、このリストを見るとよくわかります。

書きはじめる前はもちろん、書いていて行き詰ったときやちょっと違う視点からの発想が欲しいとき、このようなリストがあるとありがたいものですね。

ソース:Pixar’s 22 Rules of Storytelling | Aerogramme Writers’ Studio

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