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3Dプリンタ製AR-15ライフルのロアレシーバー、Defence Distributedが新型を開発


3Dプリンタによる銃火器の製造は、いまだ実験の域を出ないものの確実に発達しており、発射の熱や衝撃の影響が少ない部品はどんどんデータ化されています。今回Defence Distributedが開発したAR-15ライフルのロアレシーバーはシンプルな設計で十分な強度を持たせています。


今回のレシーバーを設計したのは、以前30連マガジンの開発に成功したDefence Distributedチーム。

テストには「光造形法(SLA)」と「熱溶解積層法(FDM)」の両方式の3Dプリンタを用い、2つのレシーバーを用意して行われました。こちらはFDM方式のプリンタ「DimenSion SST」で出力しているところ。FDMの場合「木目」のように力に強い方向と弱い方向ができるので、寝かせて出力しています。

ロアレシーバー共通の弱点であるバッファーチューブ根本からボルトリリースまで分厚く補強されたデザイン。

上から見ると相当に分厚いのがよくわかります。

テストの結果SLAプリンタで出力したものは660発の射撃に成功。弾切れのためテストは終了したものの、おそらく1000発にも耐えるとのこと。

しかしFDMプリンタで出力したものは、このようにバッファーチューブ支えが切れました。「木目」の方向にきれいに割れているので強度というよりも出力方法による限界のように見えます。

動画はこちらから。
DefDist Printed AR Lower – Part III – YouTube

アメリカでは銃の自作を趣味としている人は少なくありません。理由は様々ですが、その中には銃を登録したくない、という人もいます。超保守派の中には政府すら信用していないグループがあり、有事の際に自分を守る武装をしていることを政府に知られないようにするためです。

そうした人向けに、完成品とはみなされない「80% Receiver」と呼ばれる金属塊が販売されています。これを自宅に備え付けた旋盤やフライス盤で仕上げると、誰にも知られずに銃を所持することができます。

典型的な「80% Receiver」。各所に必要な穴が空いておらず機能しないので、法的には銃の部品ではなくただの金属塊です。切削を考慮して全体的にぼってりと肉の厚みが残っています。

今のところ銃の生産には強力かつ取扱いの難しい工作機械と設計・加工に関する知識が必要です。特に切削機械は高速で回転する刃物を使うため、素人が買ってきてすぐに使うということはできません。

3Dプリンタの精度はまだそれほど高くはなく、各種3Dプリンタ間で同じデータで出力したとしても、出力物の形状や強度などにはかなりの違いがでます。あるプリンタで成功したデータでも、他のプリンタで出力すると失敗するということはしょっちゅうです。Defence Distributedは銃火器銃火器のCADデータを「DefCAD」で共有・公開していますがこうした問題からデータの拡散はおそらく部分的にしか行われていません。

また、材質が樹脂ということで銃として十分な強度はありません。火薬で高熱になる銃を、熱で樹脂を溶かしながら出力する3Dプリンタで作るというのはそもそも原理上の無理があります。

しかしながら「3Dプリンタ」はその名の通り、現在の工作機械とは比べ物にならないくらい簡単・安全に使え、材料の調達も容易です。もし今後、材料が改善されれば銃として十分な強度をもつ可能性もあります。

そうして全国民が武装可能になれば何が起こるでしょうか。こうした仮定は超保守派の非常に馬鹿げたプロパガンダでしかありませんが、現在3Dプリンタによる銃の製作が話題となっているのは、技術的側面よりもこうした政治的なメッセージに批判が集まっているためです。今回公開された動画も、解説というよりは世論を煽って「炎上」させるような作りになっているように見えます。

「例え1発しか撃てなくとも目の前にいる相手は銃を持っているかもしれない」という意識が犯罪やテロの抑止になるのか、それとも相互不信による社会不安につながるのか。私たちは人間は冷戦を経ても抑止力の扱い方が未発達であるようです。

ソース:Printed AR Lower v5 Review – WikiWep DevBlog.

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