科学と技術

DTPのご先祖、70年代に使われていた電話帳広告電子制作システムの動画


電話帳はかなりいい広告収入の源だったそうでアメリカ最大の電話会社AT&Tでは、売り上げの実に5%が電話帳の広告収入だったといいます。当然作業量は膨大になってしまうため、効率の向上が不可欠でした。これを解決すべく当時の最先端、AT&Tのベル研究所で開発された広告電子制作システムは、まさに現在のDTPソフトのご先祖というべきものだったのです。


物理的に切ったり貼ったりしながら広告の原稿を作るのはとても大変な作業で時間もかかります。しかし即原稿を作って広告主に見せなければ、顧客獲得のチャンスを失ってしまうかもしれません。大量に広告主を見つけるとなると、この原稿制作をいかに素早くできるかがカギでした。そこでAT&Tでは電子化に踏み切ったのです。

今では当たり前になったDTP(デスクトップパブリッシング)ですが、当時としては画期的。何せ初代Macが生まれるさらに前、新聞社では未だ写植で紙面を作っていた時代です。

そんな時代に、すでにペン状の入力デバイスを装備。これは今のマウス替わりですね。

画面上でレイアウトを確認しながら作業をすることができました。WYSIWYGも当時のマシンパワーを考えるとすさまじく未来です。

こうして紙に描いたイラストは……

スキャナで取り込めました。

イラストだけではなく、よく使われるクレジットカードのロゴなども記録しておいて再利用することができました。

それぞれのオブジェクトを独立で拡大・縮小したり移動したりできたようです。

記憶媒体はテープ。

印刷もできました。

冷蔵庫3台分くらいのシステムですが、今なら手のひらサイズのコンピューターでこの何百倍性能を持たせています。

動画はこちらから。

このシステムはかなり効率を改善したそうですが、その後のDTPソフトウェアの発達によって徐々に日陰者となり、そしてインターネットなどの新メディアの登場によって電話帳広告ビジネス自体が終わってしまいました。

しかし、広告メディアが制作システムを提供してどんどん広告を作らせるというモデルは、今もApple社の「XCode」やGoogleのAndroid SDKにその片鱗を見ることができます。

技術的には遠くに来てしまいましたが、根っこのところはまだまだ改革ができそうです。

ソース:AT&T Archives : Yellow Pages by Computer Graphics

関連記事

アナログ全盛期、70年代はいったいどのようにして新聞を作っていたのか? - DNA

ニューヨーク・タイムズのトップページを時系列順に1万2千枚並べたタイムラプス動画 - DNA

1960年代に作られたイギリス高級紙日曜版「サンデー・タイムズ」のレトロ感あふれるポスター11枚 - DNA

美麗な映像で1冊の本ができるまでを追うショートフィルム「Birth of a Book」 - DNA

カナダ、ほぼ偽造不可能な「ポリマー紙幣」を導入へ - DNA

新人類あらわる、iPadと間違えて雑誌をピンチしちゃう赤ちゃんの動画 - DNA

この記事をブックマーク/共有する


前後の記事

DNAをこれからもよろしくお願いします!

Facebook上のコメント一覧

Twitter上のコメント一覧