科学と技術

ドイツのハッカー、検閲を避けるため独自の通信衛星の打ち上げを計画中


地球上のあらゆる回線は、ある日突然政府によって運用を停止させられる危険があります。2011年のエジプト革命では、政府の手によってあらゆるインターネットや携帯電話網が完全遮断されたことが国際的な批判をあびました。こうした事態に備え、ドイツのハッカーグループがいつでも誰でも自由に使えるオープンな衛星回線を確保するため、独自の通信衛星の打ち上げを計画しています。


アメリカで物議を醸している「オンライン海賊行為防止法(SOPA)」は著作権の保護を強化する法律案。最大の特徴は、これまで著作権の保持者でないと訴えることができなかった権利の侵害について、司法省など国の機関でも訴えることができるようになった点です。

これまでも違法なポルノサイトへのアクセスを捜査機関がブロックした事例がありますが、これを拡大して「著作権違反」を理由にそのサイトへのアクセスをブロックする権限を国がもつことになると、将来「検閲」に用いられる不安もあり、議論となっているようです。

ドイツのハッカーグループは、こうした動きに対し「どの国の持ち物でもない宇宙空間に通信衛星を浮かべ、地上局から通信すればいいのでは」というアイディアにつきあたりました。

人工衛星の打ち上げについては費用さえ工面できれば民間企業でも可能ですが問題は打ち上げたあとの追跡。衛星はじっとしているわけではなく、かなりフラフラと動き回るので追跡が必要になりますが、これには莫大な費用がかかります。以前、日本の東大阪宇宙開発協同組合が打ち上げた「まいど1号」は、管理費が工面できずに運用を中止することになりました。

これについては、衛星使用料を含む100ユーロ(約9900円)で配布されるオープンソースの小型地上局キットを開発・配布、多数の地上局でグリッド「Hackerspace Global Grid」を作れば大がかりなシステムがなくとも衛星の位置を追跡できると考えているようです。

代表のNick Farr氏は「目的はあくまでも技術的な興味から」とコメント。宇宙でも使える信頼性の高いハードウェアの開発し、将来はアマチュアとして月に人を送り込むという壮大な計画ももっているようです。

この衛星は単に通信経路を提供するだけで、データそのものは地上に置かれるわけですが、将来こうした衛星に巨大なストレージを積み、絶対に取り締まれない「データ・ヘイブン」ができあがるのかと思うとそら恐ろしい思いですね。

ソース:BBC News – Hackers plan space satellites to combat censorship

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