ネット・PC

スティーブ・ジョブズ自身が朗読した「Think Different」の未公開バージョンCM


アップル社の広告には宣伝としては型破りな強いメッセージを持ったものがたくさんあります。中でも有名なのは創立者、スティーブ・ジョブズがアップル社に復帰した1997年に作られた「Think Different」シリーズですが、このCM中の朗読をジョブズ自身が行った未公開バージョンの動画が存在しています。


Apple Steve Jobs The Crazy Ones – NEVER BEFORE AIRED 1997 – YouTube

「Think Different」キャンペーンは1997年にスタート。2002年に「Switch」にとって変わられるまで、そのスローガンは様々な印刷物やTVCMに登場しました。本番の吹き替えは英語版はリチャード・ドレイファス、日本でも翻訳版が根津甚八のナレーションで放映されました。

担当した広告代理店チアット/デイ社は、こちらも伝説となったCM「1984」を制作した会社。「1984」ではIBMによる支配を否定したことで大いに話題になりましたが、この「Think Different」も当時のIBMのキャッチフレーズ「Think」と真っ向から対決するもので、アップルを追い出されていたジョブズの王政復古、そして新しい黄金時代の幕開けを高らかに宣言したものといえます。

原文と訳は以下のとおり。

Here’s to the crazy ones.

The misfits.
The rebels.
The troublemakers.
The round pegs in the square holes.
The ones who see things differently.

They’re not fond of rules.
And they have no respect for the status quo.

You can quote them, disagree with them, glorify or vilify them.
About the only thing you cant do is ignore them.
Because they change things.

They push the human race forward.
Maybe they have to be crazy.

While some see them as the crazy ones,
we see genius.

Because the people who are crazy enough to think
they can change the world, are the ones who do.

クレージーな人たちがいる。
反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。
四角い穴に丸い杭を打ち込むように
物事をまるで違う目で見る人たち

彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定しない。

彼らの言葉に心をうたれる人がいる。
反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる。
しかし、彼らを無視することは、誰にも出来ない。
なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。

彼らは人間を前進させた。
彼らはクレージーと言われるが

私たちは彼らを天才だと思う。

自分が世界を変えられると
本気で信じる人たちこそが
本当に世界を変えているのだから。

とはいえこの年、アップル社の業績はどん底。「天敵」のマイクロソフトと業務提携を結んだり、互換機メーカーへのライセンスを停止したりするなどかなり厳しい経営を強いられていた中、ジョブズはどのような気持ちでこの詩を吹き込んだのでしょうか。

スティーブ・ジョブズ I
ウォルター・アイザクソン
講談社
売り上げランキング: 1

関連記事

神秘の調和、アップル社のプロダクトデザインに隠された「黄金比」 - DNA

アップル製品と約50年前のブラウン社の家電製品がどれくらい似ているか比べてみた - DNA

80年代のApple社が未来を見据えてデザインしていた製品のプロトタイプいろいろ - DNA

スティーブ・ジョブズ氏を世界各地で追悼している人々の写真20枚 - DNA

Apple社のスティーブ・ジョブスCEO「USB3.0にはまだ早い」と自社製品への搭載について言及 - DNA

そっくり過ぎ?スティーブ・ジョブズのアクションフィギュアが登場 - DNA

Appleのソーシャルネットワーク特許が示す「人と人との出会いの未来」 - DNA

この記事をブックマーク/共有する


前後の記事

DNAをこれからもよろしくお願いします!

Facebook上のコメント一覧