科学と技術

機械学習で暗い場所にあるモノの輪郭を強調する消防士用ナイトビジョン「C-THRU」


停電した火災現場は暗いだけでなく、煙や水が視界を遮ります。そうした中で視界を得るためには、従来の暗視装置だけでは不十分です。「C-THRU」は赤外線を認識する、いわゆるサーマル画像を機械学習で加工し、そこから輪郭を取り出すというハイブリッドなナイトビジョンです。

火災現場は明るいと思いがちですがそれは炎があるところだけで、実際のところ停電が発生するためにほとんどが暗所になります。しかし従来の暗視装置は光を増幅するだけなので、日中でも見通しの悪い煙の中では視界を得ることができません。

そこで開発されたのがQwake社の「C-THRU」。ガスマスクの内側に装着するHMDです。

温度や材質などによってあるものが放出する赤外線は変化します。C-THRUはサーマルカメラでこの赤外線を認識し、そのパターンから機械学習によって輪郭線を取り出します。このため、可視光下で視線が通っていないものでも輪郭を発見することができます。

動画はこちらから。
Ironman for Firefighters // C-THRU on Vimeo

アメリカ軍では、従来の暗視装置とサーマルスコープの視界を重ね合わせて輪郭を得るタイプのナイトビジョンがすでに採用されています。これに比べて少ないハードウェアで似たような視界を得ることができます。
Enhanced Night Vision Goggle (ENVG), AN/PSQ-20 – YouTube

今まで見えなかったものが見えるようになるというのは、本当にいろいろな応用が考えられます。最近ではフルカラー映像を得られる装置もあり、監視目的以外での応用も考えられています。
フルカラーの映像が得られる暗視装置のデモ動画がすごい – DNA

ソース:Qwake Technologies – CThru

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