アメリカの刑務所で受刑者が密かにパソコンを組みネットに接続、オンライン犯罪を行っていたことが判明
ネットに接続しないと生きていけないと思っている人達はたくさんいますが、アメリカ・オハイオ州のとある刑務所ではネットにつなぎたいあまり、あの手この手でパソコンの部品を入手、組み立てて州政府のネットワークに接続していたとんでもない受刑者がいたそうです。
事件があったのは2015年の6月のこと。オハイオ州のマリオン刑務所のネットワーク管理者が、外部と大量の通信を行っている職員のIDを発見しました。その職員がいない日にも通信が行われていたため、エンジニアが刑務所中を捜索したところ、2台のPCと、300メートルに及ぶネットワークが構築されているのが発見されました。
詳しい調査の結果、受刑者達はPCリサイクルのための職業訓練コースなどに参加して少しずつ部品を入手し1台のパソコンを構築、さらにセキュリティをかいくぐりながら天井裏にイーサネットケーブルやハブを配置していました。
独房エリアと職業訓練エリアまで伸ばされたネットワーク。
天井裏から、外部と接続されている職業訓練の教室のネットワークを経由して接続していた。
左側が違法にネットにつながっていた独房の様子。撤去された後右のようになった。
さらに調べたところ、他の受刑者のIDを使ってクレジットカードを申し込み税金詐欺を行っていたケースや、セキュリティパスを偽造して立入禁止の場所に入れるようにしていたケースなど、刑務所の中から犯罪に参加していた受刑者がいることも明らかになりました。関与していた5人の受刑者はそれぞれ別の刑務所に移送されたということです。
刑務所で最もコストが高いのは外部との通信。これを確保するため昔から本当に色々な方法が考えられています。ブラジルの刑務所では伝書鳩を使って携帯電話を送り込むケースも……恐ろしい世界ですね。
まるで映画の世界、ブラジルの刑務所に携帯電話を持ち込む凄すぎる7つの手口 – DNA
ソース:Report of Investigation File ID No. 2015-CA00043, Apr. 11, 2017
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