イギリス海軍には「軍艦専用紅茶ブレンド」が存在する
紅茶はイギリス人にとって命の水ともいえるもの。実に様々な種類のものが存在していますが、なんと軍艦で飲むのに最適なブレンドの紅茶まで存在しているのです。
そもそもなぜ軍艦には特別なブレンドが必要なのでしょうか。理由は使用する「水」にあります。軍艦で使用する水は、逆浸透膜法を使用して海水から作り出しているのですが、この時出来る水はミネラル分などが取り除かれたほぼ純粋なH2O、いわゆる「軟水」に近いものになります。対してイギリスの水道水はミネラル分が含まれた「硬水」。お茶を入れるのに使われる水がまったく違うため、地上の紅茶をそのまま持ち込んでも同じ味にはなりません。時には何ヶ月もの間家に帰ることの出来ない水兵たちにとって、家と同じように味わえる紅茶の存在はとても重要なものになります。
そこで、軍艦の真水製造機が生み出す水の性質に合わせてつくられたのがこちらのブレンド。
Very excited to receive first batch of @HMS_Bulwark tea, blended specifically for ship's water (from @allaboutea_uk) pic.twitter.com/IQJhQcEjgr
— JMBP (@_JMBP_) 2016年8月9日
このブレンドはセイロン、アッサム、アフリカの3種をベースに作られています。セイロンが特に重要な要素で、アフリカは彩りに、アッサムはわずかなコクに貢献しているとのこと。ブレンドを行ったAllAboutTeaでは一般向けに販売も行っており、実際に試してみることもできます。
たかが飲み物一つに大げさな……という人もいるかもしれませんが、戦場の兵士たちにとって日常的な出来事は本当に大事なことのよう。こちらはカナダの兵士達が、基地で手に入るものでいかに美味しいコーヒーを入れるか解説している動画ですが、その研究熱心っぷりには関心します。
[字幕動画]最後までやたらハイテンションな「戦場でのコーヒーの入れ方」動画 – DNA
ソース:Why the British Navy Needs Special Tea | Motherboard
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