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CERNの大型ハドロン衝突型加速器が9000本のムダ配線のせいでアップデート停滞中


「使用するとマイクロブラックホールが発生して地球が滅亡する」という、想像もつかないようなレベルで心配されることがあるCERN(欧州原子核研究機構)の大型ハドロン衝突型加速器。大規模なアップデートを2019年に控えているのですが、9000本に及ぶ古い配線の識別と撤去で作業が難航しているそうです。

現在、問題となっているのは大型ハドロン衝突型加速器の陽子シンクロトロンとそのブースター、そこで加速された陽子ビームをさらに加速するSPSに接続されていると思われる9000本のケーブル。CERNでは50年代から機器の増設を行ってきましたが、その際に古いケーブルを撤去せずそのままにしておいてしまったため、現在ではそのほとんどが何のためのケーブルであるのか分からなくなっています。

実際のケーブル。ぐちゃぐちゃです。

CERNの大型ハドロン衝突型加速器は現在、毎年冬に行われる定期点検に入っており、目下60人のエンジニアが9000本のケーブルの識別を行っているとのこと。全部ごっそり撤去すれば……とも思ってしまうのですが、そうすると定期点検中に復旧が終わらず、ただでさえ順番待ちになっている加速器での実験スケジュールが遅延するのは必至。

また、ケーブルの多くは計測機器や安全装置に用いられているものとみられており、うっかり抜くとデータが観測できなくなったり、起動しなくなったりするため慎重な作業が求められます。

現在、CERNでは60人のエンジニアがつきっきりで判別を行っており現在までに2700本が、定期点検明けまでには8000本が識別終了するとのこと。撤去は次回の定期点検時になり、おそらく2019年の大規模なアップデートには間に合うということですが、ケーブルの中には50メートル以上あるものが存在するということで、まだまだ混乱は続きそうです。

ソース:CERN Engineers Have to Identify and Disconnect 9,000 Obsolete Cables | Motherboard

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