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ウェイトレスさんが全員実弾入りハンドガンで武装しているレストラン「シューターズ・グリル」に行ってきた


銃が自由に持てる国アメリカ。スーパーですら銃と弾が手に入り、警察と犯罪者の銃撃戦が毎日のように発生する……など、かなり誇張された感じで報道されることが多い国ですが、そんなアメリカに「すべての従業員が銃をオープンキャリー(周りから見えるように携帯)しているレストラン」という最高におもしろそうなところがあるというので行ってきました。

アメリカ人の「武装権」と「オープンキャリー」

銃の国アメリカが生まれたのはなぜか。その根拠となっているのが合衆国憲法のこちらの条文です。

修正第2条:
(人民の武装権)
規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない。

出典:権利章典 (アメリカ) – Wikipedia

要するに民主主義の敵が現れたら、それが外敵だろうが自国の独裁政府だろうが一般市民である民兵は武装して抵抗していいですよという趣旨です。実にアメリカンですね。

海外のニュースによれば今回訪れる鉄砲レストラン「シューターズ・グリル」は、銃を見えるように携帯することで人民の武装権バンザイ的メッセージを発している……ということだそうですので、期待が高まります。

「シューターズグリル」はアメリカ西部・コロラド州、その名も「ライフル」という小さな町にあるレストラン。

州都デンバーから、ロッキー山脈の南の端っこを超えてほんとーに何もない道を5時間ほど走る。

道に飽きてきたころに「ライフルにようこそ」という看板が見えてきます。

ライフルは19世紀末に拓かれた街。地図で見ると広いようですが人口は9千人ほどという静かな街です。

オールドな手芸屋の前にとまるクラシックな自動車。とても武装民兵の巣窟となっている街の光景とは思えません。

「シューターズグリル」がある路地

ここですね。

西部劇でよく見る感じの看板

おっと過激なメッセージが。

店舗内への銃持ち込み歓迎
必要があるまで銃をお抜きにならないようお願いいたします。有事の際は上手な射撃を心がけてください

侵入者は絶対撃つ感が伝わってきます。では中へ。

……ふつーのおじさん・おばさんがお昼ごはんを食べています。星条旗に絶対の忠誠を誓っている感じの人は見当たりません。

メニューには「Ruger Ruben」だの「Swiss & Wesson」だの「Six Shooter」だの銃器メーカーや用語を散りばめた名前の料理が並んでおります。



そしてウェイトレスさん達!いったいどのような鉄砲を持っているのでしょうか。

こちらの人はS&W M&Pを携帯。自分で買った銃で、たまに射撃場に行ったり競技に出たりするんだとか。いわゆる鉄砲マニア、とはいかないまでもまぁまぁ好きな人という感じ。

これは安物として知られるハイポイントですね……あんまり銃に興味がないのかと思ったら「実は彼氏のもので、私は持ってるだけなの」とのこと。

「ご飯を食べながら銃の安全講習を受けよう」セミナーなど、地域住民向けに理解を深めるイベントをホストしていたりもする様子。

うーん。アメリカの未来を憂う問題意識の高い人達がうじゃうじゃいるのかと思っていたのですが「鉄砲?まぁあってもいいんじゃないの」くらいの雰囲気でした。

ちなみに「シューターズ・グリル」から道を挟んで反対側は銃規制賛成派NGOのオフィスで、さらに隣はガンショップという一触即発でもおかしくない配置でしたが、特に睨み合っているとかそういうこともなさそうで、どれもものすごく町並みに溶け込んでいました。

銃規制はホットなトピックで、それに関してはそれぞれに政治的・思想的なメッセージを発してはいますが、だからといって何かの権利や財産を奪い合っているというような感じはしません。意外と「あちらさんにはあちらさんの都合があるから」という棲み分けられているようです。

最初は「銃が人を殺すのではない!人が人を殺すのだ!」というカゲキな現場を見に行こうと思ったのですが、その期待は見事に裏切られ、逆にいろんな思想の人達がうまく折り合っているというアメリカという国の豊かさを見せつけられる旅となりました。

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