カメラのシャッターの動きとはたらきを完全に理解できるスーパースローモーション動画
数千分の1秒という非常に短いあいだに開いて閉じるという、精密な動きをするカメラのシャッターはいったいどういう原理で、とういう動きをしているのか。秒間1万コマというすさまじい高速度カメラでシャッターの動きを撮影し、スーパースローモーションにした動画です。
シャッターボタンを押すと、ファインダーに像を送り込んでいたミラーが跳ね上がります
センサーを覆っていた「先幕」が下がって……
センサーが露出し、光が当たります。
指定した時間が過ぎると「後幕」が上から降りてきて光を遮ります。これが1サイクル。
上の図はシャッター速度が低い、つまりセンサーの露光時間がある程度長い場合です。それではシャッター速度を上げて、露光時間を短くするとどうなるでしょうか。
先幕が開くとすぐ後幕が降りてくる……ということはこのように、センサーの上をスリットが動いていくのと同じようになるのです。このようにセンサーの上を幕が動いていくシャッターをフォーカルプレーン方式と呼びます。
幕を動かす速さには物理的な限界があるのでシャッター幕1枚を一気に全開・全閉ではシャッター速度を速くすることはできません。フォーカルプレーン方式では、こうやってスリットを狭くしていくと、幕の速度を変えなくてもシャッター速度を上げることができるというわけですね。
ただしこの方式では「端から順番に光を当てていく」ことになるので、縦に幕が走っていくタイプの場合、写真の一番上と下では時間差ができます。
時間差は動いているものを撮影するとよく分かります。コルクに注目。下半分の方が時間的に後に写っているので、少し先に進んでいる=ズレて見えるわけです。
左から右に流れていく風景を撮影したところ。こちらも下のほうが時間的に後なので、電柱が斜めに写るわけですね。
動画はこちらから。
Inside a Camera at 10,000fps – The Slow Mo Guys – YouTube
ちなみに映画など動くものを撮影するカメラでは、同じフォーカルプレーン方式でも幕を高速に動かせる「ロータリー式」のシャッターが使われています。これならスリットにならず全面露光になるので、一気に撮影できるのです。
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