仁義なき戦い ニセ学術雑誌がすさまじい内容のダミー論文をアセプトする
「どれくらい論文雑誌に取り上げられたか」は論文の価値を測る指標の一つ。そのため「お金を払えば載せてあげるよ」と言ってくる活動実態のない詐欺雑誌もあったりするのですが、そういうニセモノがダミー論文を採用してしまったことが話題となっています。
話題の中心は「先進コンピューター技術国際ジャーナル(IJACT)」と自称する学術雑誌。同名の団体がいくつか存在し、編集者やレビュアーも名前と現在の肩書が合っていないなど、おそらくニセ雑誌と思われるのですが、そこに送りつけられた論文がコレ。
タイトル「おめーのところのメーリングリストからアドレスを削除しろ(Get me off Your Fucking Mailing List)」という論文がこちら。
Get me off Your Fucking Mailing List(PDF)
2005年、スパムメールに対抗するために作られたものと言われていますが、ご覧のとおりありとあらゆる方法でアドレスを削除して欲しい旨を叫んでいます。
IJACTからの掲載論文を募集するスパムメールに対し、フェデレーション大学のヴァンプリュー博士は即座にこの論文のPDFファイルを返信したところ、皮肉が通じなかったのか「この論文は掲載基準に合格しました」という通知と、掲載料の振込を求めるメールが来たとのこと。ニセモノをやるならもっと色々と考えるべきですね。
ソース:Bogus Journal Accepts Profanity-Laced Anti-Spam Paper | Scholarly Open Access
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