ネット・PC

Googleが語る「あなたの作ったアプリがダウンロードされない5つの理由」


AndroidOSを搭載したスマートフォンユーザーは非常に多いはずなのになぜか作ったアプリがダウンロードされない、という経験はアプリ製作者なら誰しもしたことがあると思います。なぜ似たようなアプリはダウンロードされていて、自分のアプリは顧みられることがないのか。Google I/O 2014で「間違った計画を完璧に遂行する」というタイトルの講演が、この謎の一端に迫っています。

1. どんな問題を解決しようとしているのか分からない

アプリがビジネスになるのは、そのアプリがある一定数のユーザーが抱える問題を解決してくれるからです。つまり市場のサイズと問題の分析が必要です。しかし「現在開発中!興味のある人はメールアドレスを登録してください」という広告ページでは「何人くらいに興味をもってもらえたか」のバロメーターにはなっても、潜在的ユーザーの抱える問題が何で、実際に解決できるかどうかを推し量ることはできません。

2. 友人に自分の考えについて意見を求めてしまった

友人や家族というのは、あなたのアプリの欠点に対して甘いものです。彼らの意見を鵜呑みにして作られたアプリがいいものになる可能性はあまり高くありません。

3. ユーザーの言うことを聞いてしまった

彼らに意見を求めたり、アンケートをとったところで正直に回答してもらえるわけではありません。例えばイギリスの高速道路のトイレについてアンケートをとったところ、99%が「終わった後に手を洗って出て行く」と回答したのですが、実際に機器を設置して計測したところ手を洗っていたのは男性32%、女性64%でした。質問をするのではなく、彼らの行動をよく観察するのが重要です。

4. 最もコアとなる仮定を検証しなかった

アプリ作りではしばしば「ユーザーはきっと○○するだろう」という仮定のもと、方針が決定されます。その中でも最もコアとなる仮定は、本当に正しいものでしょうか。例えばYouTubeは「ユーザーが簡単で速いと思えば、動画をアップロードしてくれる」という仮定のもと作られています。できた当時は「自分のホームビデオをアップロードして全世界公開するなんて考えられない」という反応がたくさんありました。自分たちの仮定について、よく検証しましょう。

5. 何度も作り替えてしまった

まず最低限の機能をもったアプリを作り、市場にフィットするかどうかを調べ、もしダメなら方針転換をするというのがいわゆるスタートアップ企業の手法です。これによって企業は利益を最大化することができるのですが、かといってこの手法で作られたアプリが人気になるかというとそうではありません。最初によくニーズを調べ、よく吟味して作るべきです。

結局

・問題……アプリは何を解決しようとしているのか?
・市場……その問題を抱えているのはいったい何人くらいなのか?
・製品……そのアプリで問題は解決するのか?

という大変地味なプロセスをひとつひとつ検証していったアプリのほうが長く残るということです。

よくこうしたアプリ界隈では、1人の天才が、天才的なひらめきで作ったアプリがスマッシュヒットを生み出した……という「伝説」が語られますが、そんなアプリも裏側では検証と調査が徹底的に行われていたりして、手堅く作られていることがほとんどです。いい加減な人がいい加減に作ったアプリがウケる理由はないのです。

Google I/O 2014 – Perfectly executing the wrong plan – YouTube

ソース:Google: 6 Reasons Why Nobody Uses Your App | Co.Design | business + design

トップ画像:Turn by turn directions to clearner air on smartphone | Flickr – Photo Sharing!

関連記事

データの鬼、Googleが解析した「よい上司を製造する8つの条件」 - DNA

Google、データ解析の結果「面接の難問奇問パズルはムダ」と結論 - DNA

Googleを辞める人たち - DNA

「Googleで最も不愉快な仕事」は正社員ではなく契約社員が行っている - DNA

2011年ごろの「初代」Google Glassはこんなにも巨大だった - DNA

Google謹製のノートアプリ「Keep」がデビュー - DNA

この記事をブックマーク/共有する


前後の記事

DNAをこれからもよろしくお願いします!

Facebook上のコメント一覧