フランス国鉄が発注した電車が大きすぎて既存のプラットフォームに入れないことが判明
正確さと安全さが求められる鉄道で、まさかこんなにもありえないミスが起こるとは誰も思っていなかったでしょうが、そのまさかがフランス国鉄で発生してしまったようです。
問題はフランス国鉄(SNCF)がアルストム社、ボンバルディア社などに合わせて2000両発注していたTERと呼ばれる新型車両。
Présentation du Régiolis Alstom (Z 51500) SNCF French New Train – YouTube
フランスでは線路とその上を走る電車の管理者が分かれており、線路、つまりインフラをフランス鉄道線路事業公社(RFF)が、そして列車の運行をSNCFが管理しています。
今回の発注では線路やプラットフォームの仕様がRFFからSNCFが伝えられていました。しかしこの仕様が最近30年以内に建築された駅にのみ適合しそれ以上前に作られた駅に適合しないことが発覚。そしてなぜかSNCFのチェックをすり抜け、間違えた寸法で発注が行われてしまったということです。
このため8700箇所のプラットフォームのうち1300箇所について、新型車両では狭すぎて通れないことが判明。中には線路同士の間隔が狭すぎてすれ違えない箇所もあるとのこと。買ってしまったものはしかたがないので、現在5000万ユーロ(約70億円)かけて改修工事が進んでいるということです。
電力と電線、回線と携帯電話などインフラと運営を分離することで色々とコストカットしようという動きが最近活発ですが、こういう事例を見ると「分かれないほうがいいんじゃないのか」と思ってしまいますね。
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