Amazonの超カオティックな倉庫を支配するメソッド「Chaotic Storage」とそれによってコントロールされるマッシヴな倉庫の内部画像いろいろ
向こうの壁がかすんで見えるほどに広大な倉庫から日々無数の小包を出荷していく世界最大の通販会社Amazon。その収納はとにかく荷物を詰めていく「Chaotic Storage」ルールで支配されています。この方法にはいったいどのようなメリットがあるのでしょうか。
Amazonが採用している保管方式はChaotic Storage(カオス的保管法)あるいはRandom Storage(ランダムな)、Dynamic Storage(動的な)と呼ばれるもので、80年代にはすでに配送センターで採用が進んでいたもの。
スーパーマーケットでは同じジャンルの商品をまとめて同じエリアに置いていますが、これに対して決まった置き場を設けず、空いたスペースに順次新しい荷物を置いていき、出し入れごとに荷物とスペースの組み合わせを記録していくというものです。Amazonの倉庫では棚にバーコードが貼られ、荷物のバーコードと同時にスキャンすることで記録しています。
一見乱雑なだけのシステムですが、いったいどのような利点があるのでしょうか。
「置き方を考えない」ことで節約できる手間とお金
まず、スペースの有効活用ができます。この方式では空いたところはすぐにふさがって行くので、空きスペースというものが発生しません。同じ家賃でより多くの荷物を収納できます。
また、大量に商品を仕入れる際、事前に他の荷物をどかす必要もありません。在庫は常に変化するためこうした「倉庫内引越し」は際限なく発生してしまいますが、最初からランダムに置くと決めておけばこうした余計な仕事が発生しないため人件費を節約することができるのです。
人件費といえば、新しい人を雇ったときのトレーニングコストも節約できます。棚の場所を決めてしまうとそれらを全部覚えなければいけません。でもAmazonの倉庫ではすべてがランダムに置かれていますから、単に「荷物を探して集める」方法を教えるだけですむのです。トレーニングコストが安いと、季節によって労働力を増減させるのも簡単になります。
アルゴリズムと統計が生み出す「最適・最短コース」
さて、企業には「節約」だけではなく「効率」も大事です。Amazonの倉庫の目的は「どれだけたくさんの注文書を処理できるか」。つまり商品を集めるスピードが重要です。荷物がきちんと並べられたスーパーマーケットでも巡回には時間がかかるのに、ランダムに置かれたAmazonの倉庫ではどうなっているのでしょうか。
まずAmazonの倉庫のデータベースには荷物と棚、あるいは荷物と今それを持っている人の膨大なリストが構築されています。注文書を処理するアルゴリズムは倉庫の棚の地図も持っているので、これと合わせることで棚の間を最短距離で移動できるようにピッキングリストが組まれるようになっています。
またAmazonでものを買う人は、複数ジャンルの商品を混ぜて買う人がほとんどです。なので同じジャンルの商品を固めて置いていても移動距離が短くなることはないのです。むしろピッキングミスを防ぐように、似た製品は近くに置かないような配慮がなされているということです。
こうしたアイディアを実現できるのもAmazonのもつ膨大なサーバー群と強力な開発チームによる徹底したシステム化によるものです。以下の画像のような超カオティックな倉庫を操るには、それだけのパワーが必要なのですね。
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それにしてもこれだけ広いと「記録のミスで忘れられてしまった謎の荷物」がいくらも出てきそうですね。いつか「宝探し」ができると面白いと思います。
ソース:SSI SCHÄFER Blog
Inside Amazon’s Impressive World (97 pics) – Izismile.com
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