米海軍情報機関の調査員、約200倍の値段で軍に「サイレンサー」を購入させた容疑で調査
秘密部隊の支出内容は明らかにされることが少ないため、昔から不正が後を絶ちません。アメリカ海軍情報機関に所属する民間人が外部企業と図り、200倍ものマージンを取って軍に「サイレンサー」を購入させたとして訴追されました。
訴追されているのは、米海軍情報機関で秘密作戦に関わっている民間人構成員、デイヴィッド・ランダーズマン、リー・ホールともう1名の計3名。ランダーズマンは元海兵隊の大佐で、退役後は民間人として海軍の情報機関に勤務していました。
問題の「サイレンサー」は、デイヴィッドが弟で自動車整備業を営むマーク・ランダーズマンに制作させたもの。銃の発射音を減少させるためのものですが、兄のデイヴィッドはWebで見つけたDIYサイレンサーの作り方を弟のマークにメールで送付し、マークは「ワオ!とても簡単だね」と返信しました。
デイヴィッドは予算部門と交渉の上、当時海軍と契約していた軍需用品メーカーCACI社に対し約200万ドル(約2億円)の「研究開発・評価費用」予算を確保、そのうち160万ドル(約1億6千万円)をCACIに送金したうえで、その予算をそのまま弟が設立した会社に支払い、サイレンサーを開発させるよう働きかけていました。
予算を確保したマークは、部下のエンジニアに「自動車用マフラー」として設計図を渡し、8000ドル(約80万円)で349個を製造・納入したということです。なお、マークはその後5万ドルのポルシェや10万ドルの小規模醸造所の株式を取得するなどの「浪費」が続いていることが調査で分かっています。
サイレンサーは「AK-47アサルトライフル用」のもので、追跡可能なメーカー名の表示灯がないもの。海軍研究機関に納入されたものが押収されていますが、用途は不明ということで、訴追されている3人の証言では「SEALチーム6」が使用している画像を見たことがあるとのこと。
トップ画像:m-4 with suppressor | Flickr – Photo Sharing!
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