実際に銃やナイフに触ってもいない「武器に関する校則違反」が相次ぐ
どんな小さなことであっても法律に違反するのなら厳格に適用すべき、本音と建て前を分ける必要はない……というのは大原則なのですが、校則に違反して想像上の敵に想像上の手りゅう弾を投げて戦争ごっこをしていた7歳の男の子が停学になるなど、アメリカの学校で銃がらみの停学が相次いでいるそうです。
ワシントンD.C.のミルクリーク中学校に通う11歳の男の子は、先日バスの中で手をピストルの形にして相手を撃った、ということで1日の停学になりました。母親は記録からの懲罰の抹消を学校に申し出ていましたが校長はこれを却下したため、母親は裁判所に調停を訴え出ました。
以前にもDNAでは手りゅう弾を投げるふりをしただけの7歳の男の子が停学になる騒ぎや、お菓子を銃の形にかじって遊んで停学になった少年が全米ライフル協会から表彰されるニュースなどをお伝えしましたが、連続する乱射事件に対してアメリカ社会はかなりナーバスになっており、教育現場ではかなり過敏な反応をしてしまうことが多いようです。
親の方も子どもの身の安全を考慮しており、防弾パネルを仕込んで盾として使える防弾バックパックを子どもに持たせるようにしたり、また一部自治体では乱射事件対策ビデオを制作して啓蒙を続けています。また、近所の銃マニアにジオタグをふって監視しようというAndroidアプリを制作している人もいます。
法律は一度「なあなあ」で運用されてしまうと、そこからその制度自体が腐っていくものであるのはアメリカに限らず世界中でその例を見ることができます。しかし運用者がパニックに陥って、何でもかんでも違法だとしてしまうと、これもまた意味はありません。どんな法律も、運用する側がきちんと基準をもち、冷静であることが求められています。
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