究極の「ごっこ遊び」、コスプレ+アクション+テーブルトークRPGな「LARPing」がヨーロッパで流行中
ゲームの中の登場人物になりきって戦ったり謎を解いたりするテーブルトークRPGに、さらにコスプレとアクションを追加して超リアルなごっこ遊び「LARPing」で遊ぶ人たちがヨーロッパで増加しつつあるそうです。
LARPは「Live Action Role Play(ライブアクションによるロールプレイング)」の略語。Larpingで「LARPすること」、プレイヤーをLarperと表記することもあります。基本的には互いに闘争する「Fraction(断片)」と呼ばれるチームがいくつか、そしてゲーム内の争いを調停するなど、特別な役割を持たされた「Guild(ギルド)」チームがまたいくつか存在します。これらが互いに関係しながらゲームは進行します。
個々のプレイヤーに能力値が設定されています。これはゲーム前に自由に振り分けることができ、これによって使用できる武器や、魔法が使えるかどうかなども決まっています。攻撃や魔法の成功判定はレフェリーがおこないます。
戦闘が中心のゲームではあるものの、回復魔法を使う人や謎解きを行う人なども必要なので、そうした役割を振り分けることで体力的に劣る人でも心配せずに参加することができるようになっています。
単なるチャンバラごっこに見えますが、チームどうしで外交の要素があったり、テーブルトークRPGのようにゲームの進行役によってしかけられた謎を解くなどのストーリー要素もあります。
これは国や団体ごとに何を重視するかが違っていて、例えばドイツでは開催規模が大きいものが流行りますし、北欧諸国では戦闘よりも物語性を大事にする傾向があります。
普通の演劇では観客は舞台に上がることはできませんが、LARPでは観客自らが演じるインタラクティブなストーリーテリングであり、実験的な演劇の形態の一つであるとする人もいます。アメリカではかなりスポーツ化されていて、ストーリーよりも集団戦闘が重視されるようです。
ジャンルもファンタジーだけでなく、SFやホラーなど多岐にわたります。
例えば、こちらはスウェーデンのグループが2013年3月に開催したLARP「The Monitor Celestra」。ドラマ「バトルスター・ギャラクティカ」をモチーフとしたもので、退役した駆逐艦をレンタルしたこれ以上の臨場感は望めないLARPです。潜水艦ゲーム「Silent Hunter」のソフトウェアを改造したものを中心に、様々なハードウェア使って、リアルな戦闘を再現しています。
The Monitor Celestra Larp Movie – YouTube
日本でもチームでパズルを解きながらクリアを目指す「脱出ゲーム」が流行っていますが、あれに戦闘要素とコスプレを組み合わせたものに近い、といえるでしょうか。最近ではリアルさをうたったビデオゲームがたくさんありますが、LARPは究極のリアルさを持ったゲームといえるでしょう、バーチャルではなく、自分の体を使ったストーリーテリングはきっと格別に楽しいものになるのではないでしょうか。
ソース:BBC News – The rise of live action role-playing
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