「はやぶさ」の旅を成功させた「あのダイオード」の指輪「はやぶさリング」販売中
小惑星「イトカワ」に到達しサンプルを採集、2010年に地球に戻ってきた人工衛星「はやぶさ」の旅は往復のべ約60億キロ。人間が作ったものの中では最も長い距離を旅して帰ってきた「はやぶさ」の命綱となった「あのダイオード」を使った指輪「はやぶさリング」が登場しました。
「はやぶさ」の7年間の旅は現在のロケット製造・運用技術の限界を知る旅でもありました。極低温に宇宙放射線、過酷な環境の中様々な部品が機能を喪失していきます。その中には4つ搭載され、そのすべてが機能を失ったメイン推進装置「イオンエンジン」がありました。
イオンエンジンは「イオン源」と「中和器」で構成されていますが、あるエンジンは「イオン源」が故障し、またあるエンジンは「中和器」が機能しなくなったのです。個別に機能する部品はあるのに、2つがつながっていない。どうにもならない、と誰もが考えたその時、「はやぶさ」の設計者はこう言ってのけたのです。
この「つなげてあるんです」を実現させていたのが「はやぶさリング」に使われているダイオード。数グラムの変化が命取りになる宇宙機で、打ち上げ寸前に滑り込ませた小さな部品が「はやぶさ」のイオンエンジンを復活させ、一大センセーションを巻き起こしたあの成功に導いたのでした。
「はやぶさリング」を制作したのは電子部品を使ったアクセサリーショップ「さのもの」。電子工作ブログ「熾火研究所」が「おそらくこれだろう」と特定したマイクロセミ社の軍用規格ダイオードを、透明なレジン樹脂で覆った指輪です。13、16、19号の各サイズが用意されています。
人類史上最も遠いところから帰ってきた人工衛星を支えたパーツ、といえばお守りにピッタリではないでしょうか。価格は1万5千750円で販売されています。
そのほか「さのもの」では様々な電子部品を使ったアクセサリーが販売されています。以下はその例。
ものに魂がやどるというのは日本に独特の表現だそうです。電子部品たちが作り出すストーリーに思いをはせてみるのもいいかもしれませんね。
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さのもの
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