プラスチックゴミを3Dプリンタのフィラメントにリサイクルできる整形機「Filabot」
普通のインクジェットプリンタでは、交換用インクの価格の高さがしばしば話題になりますが最近話題の3Dプリンタでも、実は同じような問題が持ち上がりつつあります。この「Filabot」は様々なプラスチックゴミを3Dプリンタの「インク」に再生成することで、価格と環境負荷の両方を一気に解決するというデバイスです。
3Dプリンタは「フィラメント」と呼ばれるプラスチック素材の細いワイヤを順に溶かし、細いノズルで少しずつ積み重ねていくことで形を作っていく装置。大きなものを作るにはたくさんのフィラメントが必要になります。
現在、このフィラメントは1kgで約4000円ほど。何回も試作と変更を繰り返したり、作っている間に崩れてしまうような繊細な部品で失敗を繰り返したりするとすぐに無くなってしまいます。
「Filabot」はこうした失敗部品やゴミになってしまったプラスチック塊を再びフィラメントに戻すことができる家庭用デバイス。もちろん、もともとフィラメントだったものだけでなく、PETボトルやその他のプラスチックゴミなども細かく砕いて再利用することが可能。そこら中にあるプラスチックを、3Dプリンタの素材として使うことができるようになります。
プロトタイプモデルの動画はこちらから。
DIY 3D Printing Filament with the Filabot – YouTube
中央にプラスチックくずを入れるホッパーがあり、左側から押し出され整形されて出てきます。
熱と圧力を加える部分。
このように純度の高いペレットとプラスチックの細かいクズを混ぜて使えます。
現在、Kickstarterでの出資募集額1万ドル(約89万円)のところを3万2千330ドル(約290万円)集めるという大盛況で締切り、部品を組み立て出荷の準備中。
現在の価格はキット1つあたり350ドル(約3万円)となっており、本当にたくさん消費するような工房などでは十分にペイできそうです。
Filabot: Plastic Filament Maker by Tyler McNaney ? Kickstarter
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