「君ならできる!」自己啓発セミナーでノセられた21人、焼けた石炭の上を歩いて足の裏をヤケドする
自らの内なる力を引き出してくれると言われている「自己啓発」セミナーの発祥の地、アメリカで「君なら大丈夫だ!さあ!」と促された人たちが焼けた石炭の上を歩いて、21人がやけどを負うという事件がありました。
トニー(アンソニー)・ロビンズはアメリカでもトップクラスの自己啓発セミナー開講者。様々なスピーチやコーチング、催し物によって参加者の気分を高揚させ自信をつけさせる手腕についてはかなり評価が高く、TEDでもプレゼンテーションを行うほど。
さらに1983年、すでに自分のセミナーに、燃える石炭の上を歩いていく「火渡り」を取り入れていた講師トリー・ブルカンからその技術を伝授され、トニーは自らのセミナーにもこれを取り入れていきます。
しかし今回、トニーが行ったセミナーでこの「火渡り」に参加した6000人のうち、21人が2度から3度のやけどを足の裏に負うこととなってしまいました。
消防関係者はこれを問題視しているものの、参加した全員が志願者であることからなんらかの処罰を課す、ということができません。
主催者側は「これまで約30年も続けてきて、安全性にも十分配慮している。なんの問題もないことを強調していきたい」とコメントしていますが匿名を条件にコメントしているロビンス側の関係者は「熱さをまったく感じなかったために、うっかり立ち止まってしまったのではないか。ほとんど怪我するひとはいないが、ゼロというわけではない」と内情を語っています。
実際のところ自己啓発セミナーというものは、完全に自由参加であり、講師の言うことをどう受け止めるかは受講者それぞれの問題。ケガについても人数はともかく率としては「しかたがない」レベルといってもいいのでしょう。
しかしやけどをした参加者のひとり、18歳のマディナ・カデリは「恐れをもってしまった」と自分を非難し「痛みを知ることができてよかった」と感謝の気持ちを示しています。彼女の妹も「ロビンスさんは前日から何時間もかけて念入りに計画している。怪我は本人のせい」とコメント。
イベントで無茶なことをやってケガをしたのは自分のせい、と考えてしまうのは果たして健全なことなのでしょうか。なぜセミナーの主催者にまったく問題がないと言い切れるのでしょうか。そこらあたり、実に不思議な事件となっています。
ソース:Nearly Two Dozen Injured at Tony Robbins Seminar – NYTimes.com
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