SFの巨匠、ブラッドベリに敬意を表し、新ステータスコード「451:法的に利用不可」が提案される
「404:ファイルが見つからない」「401:認証が必要である」など、サーバーの状態を教えてくれる「HTTPステータスコード」は色々ありますが、先日逝去したSFの巨匠、レイ・ブラッドベリに敬意を表し、政府の検閲をテーマとしたディストピア小説「華氏451度」にちなんだ新ステータスコード「451:法的に利用不可」が提案されました。
提案者はXMLの標準化に関わったGoogleのエンジニア、Tim Bray。
これまでもコンテンツを表示できない際のコード「403:禁止されている」がありました。しかしこれはサーバーの持ち主がクライアントにデータを送りたくない際に使われるもの。政府が法的にコンテンツの表示を禁じた場合、厳密には「403」コードは正しくありません。
そこで、提案されたのが「451:法的に利用不可」。これを使うことで誰がコンテンツの表示を制限しているのかはっきりするため透明性が増す他、データをキャッシュしている外部のサーバーが、すぐにデータの削除が行え利便性た高まるとしています。
なお、ステータスコードを返す際は単に「451」を返すだけでなく、その理由も返すことが強く推奨されています。こちらは例。モンティ・パイソンの「ライフ・オブ・ブライアン」のパロディでしょうか。
HTTP/1.1 451 Unavailable For Legal Reasons
Content-Type: text/html
<html>
<head>
<title>Unavailable For Legal Reasons</title>
</head>
<body>
<h1>Unavailable For Legal Reasons</h1>
<p>This request may not be serviced in the Roman Province of
Judea due to Lex3515, the Legem Ne Subversionem Act of AUC755,
which disallows access to resources hosted on servers deemed
to be operated by the Judean Liberation Front.</p>
</body>
</html>
「華氏451度」は紙が燃えだす温度で、本の所持が違法となっているゆがんだ社会を描いた1953年の小説。近年、とみに政府によるインターネット利用の制限が強まってきており、この提案も実用性というよりはそうした検閲の動きに対する意見の表明といえます。
今まですぐそばにあった自由が行使できなくなる、というのはなかなか想像が難しいもの。折に触れ、自分たちに何が許されているのか考えをめぐらすことが必要です。
もっとも、ブラッドベリ自身は2009年にニューヨークタイムズに対し、「インターネットはとんでもないものだ。破壊的だ」とコメントしていますが……
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