科学と技術

中のケチャップが詰まらずするするっと落ちてくる不思議なボトルをMITが開発


目に見えない微細な加工で色々な機能を持たせるナノテクノロジーは、目には見えないけれども大きなインパクトを持っています。マサチューセッツ工科大学の「LiquiGlide」もそのひとつ。ビンの内側にコーティングするとあら不思議、普通なら詰まって出てこないケチャップがするするっと滑り落ちてくるようになります。


LiquiGlideを施したビンから滑り落ちるケチャップ。ビンの中にケチャップが残っていないところに注目です。

動画はこちらから。
None Stick Ketchup Bottle Solution (Official) [HD] – YouTube

LiquiGlideの詳細な材料や作り方は「特許申請中」なので明らかにされていませんが開発者によれば、いわば「構造的な液体」と呼ぶべきものとのこと。固体のように堅牢なのに液体のように流れる性質で、ちょうどケチャップが宙に浮いている状態になっているそうです。もちろん、原材料はすべてアメリカ食品医薬品局に認可されたものなので、人体に毒性はありません

マヨネーズでもこの通り。
Non-Stick Bottle Coating – YouTube

「ビンのコーティングを開発しました!」というのはものすごく地味なのですが、ビンの市場は非常に巨大でなんとその規模170億ドル(約1兆4千億円)。もしすべてのビンにこのコーティングを施すことになったら、その特許使用料も途方もないものになります。

また、ビンだけでなくペンキの缶や歯磨き粉のチューブなど、ねっとりしたもののパッケージに使えば残ってしまうムダを防ぐことができます。1つ1つは小さくても、もしそれが1億パッケージ分集まったら全体ではものすごい量の廃棄物を減らせます。

「ムダをなくす」ということが最近は盛んにいわれるようになりました。こうした細かい目に見えないような部分から働きかけていくというアプローチも重要です。

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