アートとデザイン

憎悪の果て、永遠の空中戦を描く3Dアニメーション「PATHS OF HATE」


互いへの憎しみに取りつかれた二人の戦闘機乗りが、天国にも地獄にも行けずに永遠の空中戦を繰り広げる……というストーリーを思わせるショートアニメーションがこの「PATHS OF HATE」。3Dを用いて作られていますがまるで手書きのコミックのように見える綿密な処理と、リアルかつものすごく動きの激しいカメラワークでぐいぐい引き込まれていきます。


「PATH OF HATE」はポーランドのアーティスト、Damian Nenowの作品。コンピューターグラフィックスの国際的な展示会「SIGGRAPH 2011」をはじめ、数々のフェスティバルで賞を受賞している作品で、とにかく動きがダイナミック。手に汗握る空中戦が展開されます。

これらすべて3DCGを加工してコミック調に仕立てたもの。下のほうにメイキング動画を載せていますが、よくぞここまでやった、というレベルの加工がおこなわれています。

人物の動きもモーショントレースなどは行わずすべてコンピューター上で作成されました。

3DCGでカメラアングルが自由になる分、こうしたクローズアップも多用されます。なので細部の作りこみが必要となりました。

飛行機の動きも気持ちいいのですが、細かいメカニズムの再現っぷりもなかなかのもの。

薬きょうをばら撒きながらのすさまじい空中戦。

トレーラーはこちらから。
PATHS OF HATE long trailer on Vimeo

フルバージョンはこちらから。
PATHS OF HATE – YouTube

こちらはSIGGRAPH 2011で行われた制作者・Damian Nenowによるメイキング動画。いかにリアルなカメラワークを、少ないポリゴンで達成するか、色々な工夫について解説しています。
AutodeskR 3ds MaxR with Damian Nenow of Platige Image (Paths of Hate, an animated short) – YouTube

作者としては空中戦そのものではなく、永遠に続く二人の戦いを通じて争いや憎しみとは何かを表現したかったとのこと。リアルな表現によって壮絶なメッセージが際立ちます。

スタジオジブリが初めて提供した洋画提供作品「ダーク・ブルー」もリアルな空中戦に美しいストーリーを組み合わせた映画。飛ぶことについてはこだわりのある宮崎駿をして「観るに値する良い映画です。 21世紀になってようやく こういう映画が つくれたんだと思いました」と言わしめる良作です。

ダーク・ブルー 予告編 (日本版) – YouTube

ソース:PATHS OF HATE – Damian Nenow short animated film Damian Nenow | PLATIGE IMAGE 2010

関連記事

宮崎駿の描く「戦争」漫画、「宮崎駿の妄想ノート『泥まみれの虎』」 - DNA

重力加速度の40倍、40Gで目いっぱいブレーキをかけると人体はどうなってしまうのか - DNA

これは爽快、コックピットにカメラを積んだラジコンのF-16戦闘機からの動画 - DNA

違和感を感じるまでにふわりと降りてくる、最新型戦闘機F-35Bの着艦実証テスト - DNA

まさかの月面ナチ帝国の逆襲映画「アイアン・スカイ」劇場版正式予告編動画 - DNA

無人攻撃機のパイロットを取り巻く「普段の生活」を描く映画「Unmanned」予告編 - DNA

あの名作「トップガン」が3D化、2012年に公開を予定 - DNA

この記事をブックマーク/共有する


前後の記事

DNAをこれからもよろしくお願いします!

Facebook上のコメント一覧