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アメリカ中の理不尽をぶっ飛ばす中年と少女のロードムービー「God Bless America」


ゴミのポイ捨て、下品なテレビ、映画館の中で鳴り響く携帯電話、庶民のことを何も考えない政治家……誰もが「おかしい」と思っていても何のとがめも受けない出来事が世の中にはたくさんありますが、こうした理不尽にとりあえず鉛弾をくれてやるのがこの映画「God Bless America」。中年と少女がアメ車に乗って、粛清の旅をともにします。


映画のあらすじはこんな感じ。

妻子に捨てられ仕事を追われ、不死の病に侵された中年男、フランク。失うものは何もない彼は銃をとり、奇妙な道連れ、彼と同じ怒りと疎外感を共有する16歳の少女ロキシーと共に、アメリカで最もアホで残酷で忌避すべき奴らを駆除する旅に出る。

酒浸り、薬漬けのフランク

しかしある日、腫瘍が見つかる

もう死ぬか……と思ったその目に映る、超くだらないテレビ番組で「なんでこんなほしくもない車買ってくるのよ!!!」と親にナマイキをいうアイドル少女・クロエを見てしまう。

「あいつ殺してから死ぬか……」

計画を実行するフランク、しかしその途中ふと通りかかった少女・ロキシーに見つかってしまう。

「静かに座ってろ……」とロキシーを手錠でつなぐ

そしてロキシーの目の前でアイドル、クロエを射殺する。

「クロエを殺したの……?すっごい!」感動するロキシー。

意気投合した2人は旅に出る。

マネージャーを射殺

町の人を射殺

ユダヤ差別者とホモフォビアの集団も射殺

そしてテレビの収録スタジオにも乗り込む二人

「God Bless America(神よアメリカを守りたまえ)」

動画はこちらから。
God Bless America Trailer – YouTube

アメリカの現代社会の理不尽を、アメ車に乗ってアメリカの象徴・銃でばったばったとやっていくという作り。相手は低俗なテレビ番組やゲイ・ユダヤ人への差別、なんでも携帯電話のカメラで撮影する奴、政治家など様々ですが、監督がスタンダップ・コメディアン出身なので深刻になり過ぎずノリはあくまで軽め。お互いが互いを正義だと思っている個人主義の暗黒面のカタログという体ですね。

似たような作りの映画では、そこかしこで見られる差別やごまかしに対して平凡なサラリーマンが突然キレる「フォーリング・ダウン」という映画がありました。こちらはややサイコスリラー風味。

「フォーリング・ダウン」から、ファーストフード店でキレる主人公のシーン。朝食メニューに5分遅れただけで注文を受けてもらえず切れ、さらに出てきたものが写真とまったく違うことに切れます。「お前らこれ見てなんとも思わないのか?」というセリフがものすごく重たいシーンです。
Falling Down – I want breakfast – YouTube

公式サイトはこちらから。4月6日からオンラインで公開、5月11日から劇場公開となっています。
God Bless America (Official Movie Site) – From stand-up comedian and director Bobcat Goldthwait – Starring Joel Murray and Tara Lynne Barr – On Demand April 6th and In Theatres May 11th – Trailers, Pictures & More

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