誰も無傷ではいられない「サイバーいじめ」の世界を解説するインフォグラフィクス
ネットでの「いじめ」「炎上」は、しかけるほうが匿名のままいられるせいか、過度にヒートアップしがち。さらに携帯デバイスとソーシャルサービスの発展が、実態の隠ぺいと加速を助長しているわけですが「いじめ」においては誰も無傷でいられないのです。
研究が進み「いじめ」というのは心理学的には予測できるふるまいとなりました。その影響は大きく、成人してからも続きます。
ソーシャルメディアはいまや自殺やヘイト的言動にあふれていますが、果たしていじめというのは自然発生するものなのでしょうか、それとも教育の結果によるものなのでしょうか。
「いじめ」に似た他者への攻撃は、早くも2歳ごろからみられます。特にいじめる側が、言葉が遅い場合に顕著です。
言葉が出ないと自分の意思をうまく伝えることができず、他人との関係をうまく結ぶことができません。結果として暴力をふるって相手をコントロールすることで満足を得るようになります。
また、やる気を司るテストステロンの分泌が減り、仕返しを企てるようになります。
そしていじめを発見する最も確実な指標は「学校の成績」です。成績の低下はいじめられている重要なサインとなります。
思春期とサイバーいじめ
アメリカでは十代の男女のうち3320万人がなんらかのソーシャルメディアを使っています。そのうち90%はFacebookユーザー。そして15%がなんらかのいじめのターゲットになったことがあるという統計があります。
また、アンケートによると十代の男女は、オンラインでの行動は「不作法」「意地悪」「嘘」「粗雑」「大げさ」「他者への尊敬がない」ことが目立つと感じているようです。
誰がいじめられているのか?
女性のほうが男性よりも30%いじめられている数が多いという統計が出ています。逆に男性はオフラインでのいじめが多いとのこと。白人の20%、ヒスパニックの9%がいじめられているのに対し、黒人は31%と高い率でいじめられているようです。
さらにLGBT(レズ・ゲイ・バイセクシャル・トランスセクシャルの頭文字をとった略称)の生徒はそうでない生徒より2倍の確率でいじめられることが多いそうです。
いじめを見守る人たち
90%の子どもたちは、いじめを見たことがあっても無視したと答えました。また66%はまったくの他人がいじめに参加しているのを見たことがあると回答しています。
そして、いじめられたほうが自殺する確率は2倍に、学校の成績は1教科あたり3割低下することが統計によりわかっています。
だれも無傷ではいられない
いじめられたほうは傷を負いながらも、多くは普通の人生に戻ります。しかし、いじめた方はそうではありません。
無謀運転、アルコール中毒、カウンセリングなど精神科の利用率、異常な職務経歴、裁判、家庭内暴力などを起こす確率が平均よりも高いことが統計から明らかになっています。
いじめる方にもともとそういう気質があるのか、それともいじめという行動がこうした不幸につながるのか、どちらがどちらということはできません。しかし「いじめ」ではいじめるほうもいじめられるほうも、どちらも無傷ではいられないのです。
ソース:Cyberbullying | Online Counseling Degrees
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