「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性」が作り出す不思議な形の雲
馬の頭、というか白鳥の首の形というか、そんな不思議な形の雲が規則正しく現れるとき、その辺りの大気には「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性」が発生しています。いったいどのような現象が起きているのでしょうか。
非常に典型的なケルビン・ヘルムホルツ不安定性による雲。渦をいくつも横に並べた形に雲がなびいてこの形を作り出します。
特に冷えた空気と暖かい空気のように、密度の違う大気が上下に接する朝方などに多いようです。
ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の原理は簡単。このように密度の違う液体や気体が、違う向きや速度で進むとき、その境界の面が乱れて渦が発生・成長します。この実験では逆向きに進んでいますが、同じ向きでも速度が違えば発生します。
実際に波を作っている動画はこちらから。
Kelvin-Helmholtz billows – YouTube
基本的には渦、円運動なのでケルビン・ヘルムホルツ不安定性で発生する形は、同じく水が円運動する波と同じような形になります。
地球上でなくともかまいません。こちらは土星のガス雲に現れたケルビン・ヘルムホルツ不安定性。
まったく違う現象も、よくよく見ると同じ原因で生まれているというのが面白いですね。
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